離婚後、相手に家の権利を譲渡する際、気を付けなければならない事が幾つかあります。離婚後に余計なトラブルで問題を抱える事がないように、今回は離婚する際に譲渡する人とされる人、それぞれが注意すべきことを見てまいりましょう。
離婚後に持ち家をどうするか
離婚が決まり住んでいた家が持ち家だった場合、その名義がどちらにあろうとも、家自体は財産分与の対象になります。離婚時の家の名義がどちらにあろうとも、離婚後の所有権決定に影響することはありません。
離婚後の家が夫婦どちらのものになるのかは、基本的には夫婦の話し合いで決められるのが理想ですが、話し合いで決まらない場合は家庭裁判所に離婚調停を申し込み、裁判所の定めた調停委員などの意見をもとに調停が行なわれます。
この調停においても決まらない場合は、「離婚訴訟」により裁判官の審判で財産の分与方法を決定することになります。勿論その審判の内容に異議がある場合には、当事者からの不服申し立てが認められています。
この審判に対する不服の申し立ては、審判決定後の2週間以内に裁判所に「異議申し立て」
を行なう事になっています。この期間内に異議申し立てをしなかった場合、この審判の内容には法的な拘束力が生まれます。
こうなってしまった場合は、最悪相手側から強制執行といった強硬手段を取られる事にもなりかねませんので、2週間以内に「異議申し立て」を行う事を忘れないで下さい。この期間は非常に重要です。
また、ご自身が異議申し立てを行われた立場であるなら、その意義申し立てに対して「即時抗告」というものが可能です。その結果、審判は高等裁判所に送られ、審理がなされます。そして、その即時抗告が妥当であると判断された場合、審判に変わり裁判が決定します。
このように離婚には、当事者同士が話し合いにおいて離婚する「協議離婚」、家庭裁判所で調停を経て行なう「調停離婚」がありますが、それでも離婚が成立しない場合には裁判において離婚を決定する事になる場合もございます。
離婚裁判まで話がもつれた場合には、被告・原告ともにそれなりの労力と時間および金銭も掛かることを覚悟しなくてはなりません。離婚裁判と申しましても勿論立派な裁判である以上覚悟が必要です。
裁判が全て終了した際に出された判決により、その後の財産分与などが決定されます。この決定は法的な拘束力を伴うものですので、絶対です。裁判で決定した通りにその後は従う事になります。
家の譲渡
上記で述べたいずれの場合においても、家の処分が決定すればそれに従うことが求められます。ご自身が家を相手側に譲渡する事になった場合は、速やかにその手続きに入ることが望まれますし、譲渡される立場になってもやはり手続きは速やかに行なう事が望まれます。
離婚時の不動産の譲渡は、離婚時に限り財産分与として譲渡されたものに対しても原則として贈与税は課税されません。離婚時の財産分与は婚姻期間中に共有していた物を分けて清算するので、贈与とは区別して考えられます。
まとめ
離婚して、財産分与に関しても全て法的にも問題なく話が決まれば離婚の成立です。その形が協議離婚であろうと調停離婚でも離婚が成立すれば、法的にはこれで終了です。財産の譲渡など離婚に伴う案件は複雑ですが、心機一転やり直す事も重要です。
譲渡された家に住み続ける事も、売却する事も自由です。ご自身にとって最も良い選択をなさる事が今後に繋がることと存じます。
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