離婚と不動産

離婚時のマイホーム問題 ~口約束はトラブルの元~

マイホームは離婚の際トラブルの元になってしまいがちです。協議離婚の場合、口約束での決めごとが多く結果的に損をしてしまったなど後悔の声が時々聞かれます。後悔しないようにするにはどうしたら?今回は、思い残すことのないマイホーム解決法をご紹介します。

口約束はトラブルの元!

離婚で無くとも口約束は日常でよく用いられる契約です。契約には種類があり、口約束は「諾成(だくせい)契約」と言われるもので「双方・当事者の意思表示が合致する時成立する契約」となります。

諾成契約=当事者の意思表示が合致する時成立する契約

この諾成契約の欠点は、当事者(離婚の場合、夫・妻)の意思が必ずしも「完全に一致していない」という所が欠点です。以下にて例を紹介いたします。

●夫側の意思表示
家のローン→毎月こちらで払っていく等、その他の取り決め

●妻側の意思表示
家のローン→夫側で払うなら安心等、その他の取り決め

上記を見て分かりますように、夫側は「毎月家のローンを支払う」という意思表示はしています。

ですが「支払いが滞った場合の取り決めはされていない」場合が多く、意思表示のズレが生じてしまいます。その結果、妻側の負担が大きくなり最悪の場合は家を失ってしまうという事態が起こることを念頭に置きましょう。

心理的負担を軽くするために

以上の項目で紹介した、家を失うかもしれないという最悪のケースを回避、または心理的負担を減らすために必要なこと。それは「思い切って家を売却すること」です。

売却しないで家を妻名義に変更する手間・費用・ローン返済能力を総合的に考えると、ローンを妻側が組めたとしても返済していく心理的負担が大きいでしょう。家を売却する手間・費用・ローンを返済する方が「家を差し押さえられるより負担は少ない」という理由で紹介させて頂きます。

任意売却 メリットとデメリット

任意売却とは、住宅ローンを組んだ銀行に許可を得て売却する方法です。勿論新しいデメリットも発生しますが「家を差し押さえられ追い出される」という大きな不安や、心理的な負担を考えるとデメリットよりも大きくメリットを得られる事でしょう。

×デメリット
●5~7年は住宅ローンが組めない
●クレジットカードの限度額が減額される場合がある
●売却後に残った借金は返済していく事が必要
●ブラックリストに掲載される

◎メリット
●早期に売却できるため心理的負担が減る
●売却後に残った借金返済方法の交渉が出来る
●オーバーローン(住宅ローンの残債が売却しても残る状態)でも売却が可能

信用情報機関にブラックリストとして掲載されるので、家の主な名義人としては痛い選択となりますが、ローンが残った状態でも売却が出来るメリットや、アンダーローン(住宅ローンの残債が売却して全て返済できる状態)の場合はメリットの方が大きいと言えます。

アンダーローンの場合、住宅ローン返済後余ったお金は財産分与として分けることも出来ますので、一度視野に入れ検討する事をお勧めします。

まとめ

離婚での口約束は危険と言えます。意思表示のズレや、その約束を反故にする場合が多くトラブルの原因になります。そういう事態を未然に防ぐためにも時には「思い切った選択」が必要になることを覚えておいてください。

心理的負担を減らし、なるべく双方の意思を明確にすることで「マイホーム問題」は解決することが出来ます。

競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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