競売する不動産の所有者が死亡した場合には、その所有権や負債も、相続対象となるのですが、相続人になる対象者は、わざわざ大きな負債や担保に入っている不動産を相続しないものです。そのような物件に対しては、債権者は特別代理人を申し立てる可能性があります。競売における特別代理人について紹介しましょう。
■特別代理人とは?
特別代理人とは、遺産相続において、対象者が未成年や意思疎通や意思表示が困難の人の場合に、ある目的だけを完了させる為の特別に選ばれた人です。親権者と対象者(未成年など)が財産に関する利害関係に対して、両方の意見が相反する場合に、「利益相反行為」となって、代理人を立てる事になります。
◎競売と特別代理人
不動産物件が、競売にかけられている場合に、所有者である債務者が亡くなってしまう場合があります。通常は、相続人に相続をするのですが、あえて負債を相続する事は、ほとんどいませんので、遺産放棄する事になります。その場合に、相続財産管理人選任を申し立てると時間がかかる事になり、このような場合に「特別代理人」を申し立てできる事になります。
■相続財産管理人と特別代理人の競売報酬
◎相続財産管理人を選任して競売を実行
相続財産管理人の競売の報酬は、裁判所が報酬最低額相当を保証する為に、予納金を納付に対して100万円(裁判所や物件によって異なります)の支払いを命じる事になります。競売の落札価額が通常の売却よりも、4割近く安くなる事を考えた場合に、債権者の間で配当金の担保割れを生じる事も少なくないのです。
特別代理人の競売報酬に関しては、5万円+消費税となっており、相続財産管理人の報酬に比べると破格の値段で選任する事ができます。報酬費用は、共益費用として扱われていて売却代金から支払われる事になります。
■競売において特別代理人を立てる場合とは
【事例1】
競売を行うにあたって担保の不動産が、「競売開始決定」が確定したり、「差押登記後」の所有者が亡くなったりした場合の相続人が、不存在となるような事態に対して、「民事訴訟法35条」によって特別代理人の選任を認められる可能性があるのです。(必ず認定されるとは限りません)
特別代理人は、表示変更の登記に関する役割を担っていないので実行する事ができません。
【事例2】
競売申立前に、相続人不存在となるケースもありますが、そのような場合には、相続財産管理人を選任する事が原則として決まっています。表示変更の登記は、名義変更の手続きなどを相続財産管理人に行ってもらいます。
【事例3】
【事例2】のケースでも、相続財産管理人を選任しない方が、債権者は費用の面で都合が良いので、当該不動産の登記名義人の表示を相続財産法人の変更してもらう場合もあります。
債権者が競売申立受理証明の代位原因を証明する事で、「相続財産法人への変更」を申請する事で、代位の登記が可能になる事もあると回答しています。この代位の登記が可能になる事で「特別代理人選任」も考えられるとしています。
※代位の登記は、債権者が債務者に代わって登記する権利です。
■まとめ
競売における特別代理人の役割とは、債務者の代わりにある特定の目的だけを実務としてこなす為の代理人なので、競売の事後処理や、落札後は実務が終了すると共に「役割も関係性」も完結する事になります。
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