債務者がローンなどの返済が滞った際に、所有していた物件は債権者の申立てにより競売が行われわれます。では、債務者が住宅ローンの他に税金も滞納していたとき、優先的に支払われる順番は住宅ローンと税金のどちらが先なのでしょうか?今回は、違いについてみていきましょう。
競売と公売の違い
債権者が住宅ローンの返済が滞った時や税金を滞納した場合、債権者の財産は競売と公売どちらにかけられるのでしょうか。では、競売と公売の違いを見ていきましょう。
最大の違いは、債務者と配当の優先順位!
まず競売と公売の大きな違いについて下記にて紹介します。
・競売(債権者が民間の場合) → 民事執行法(管轄:裁判所)
・公売(債権者が官公庁の場合) → 国税徴収法(管轄:国・地方自治体)
競売では、債権を回収する側が金融機関(個人、銀行)などの民間企業です。
公売では、回収が税金なので税務署や市町村などの自治体です。
競売と公売の物件の探し方
競売と公売の物件はそれぞれどのように探すのでしょうか。
〇競売物件を探す方法
「BIT|不動産競売物件情報サイト」と呼ばれる全国にある不動産の競売物件情報を集めたサイトがあります。
〇公売物件を探す方法
国税庁の公売物件サイトで探すことができます。
~競売も公売も入札に参加するのに必要となる保証金~
競売や公売どちらでも、入札に参加するのには保証金を支払わなければなりません。
また、それぞれ額が異なります。
・競売 → 売却基準額の2割
・公売 → 見積額の10%の額
公売の保証金は、10%以上で一律ではありません。
競売では、万が一借りた側が住宅ローンなどの支払いが滞った際には貸した側は裁判所を通して、抵当権を保証として差し押さえます。一方、公売は借りた側が税金を滞納した際に国や地方公共団体が不動産の差し押さえをします。また、地方自治体に納める金銭負担を総称して公租公課といいます。
そして、債務者が税金を滞納したときは公売ですが、競売でも適用される場合があります。
それが、住宅ローンと税金の両方を滞納していた時です。物件が競売扱いとなった際には、配当金の優先順位は、公租公課が抵当権よりも優先権があります。そのため、滞納した税金が住宅ローンよりも先に、配当金から支払われます。
まとめ
「競売」は、債務者が住宅ローンの支払いが滞った時に、債務権者である銀行などが裁判所を通して債務者に申立てをします。一方で「公売」は、債務者が税金の支払いが滞った際に、税務署などが債権者になります。そして、競売で物件を売却した際の配当金の優先順位は住宅ローンよりも先に税金になります。このように、競売と公売とでは、債権者や配当金の優先順位がちがいます。
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