住宅ローンは基本的には誰の名義であっても問題はありません。嫁名義でも住宅ローンの審査を通っているのであれば、それ自体に何の問題がある訳ではないのです。嫁名義である場合に想定される問題にはどのようなものがあるでしょうか。
■プライドの問題
女性の社会進出が盛んになってから、時間もだいぶ経過しました。女性で職を持って、男性以上に仕事をして収入も多いという方も増えてきています。それでも「家を持つのは男の甲斐性」というような考えを持たれている方であれば、男性であれ女性であれ嫁名義でマイホームを買うということは我慢ならないということがあるかもしれません。夫名義にすることができないということには何らかの事情があるかと思いますが、せっかくのマイホーム購入ですから、わだかまりとかは避けたいものです。
■借入額、贈与の問題
嫁名義の場合で借入額が予定している金額に届けば良いのですが、そうではない場合には、収入合算や自己資金を増やすなどの対策を取らなければなりません。
奥様が出産や子育てなどで休職、退職した場合には、贈与の問題が発生してきます。奥様に退職後もローンの弁済が可能なだけの資産があれば問題はありません。しかし、休職、退職で奥様の収入が減ったことにより住宅ローンの支払いが困難になった場合に他の者が住宅ローンの返済を行うと、他の者から奥様への贈与が行われていることになります。奥様が年間で110万円以上の贈与を受けている場合には別途奥様が贈与税を支払う必要が出てきます。
■離婚問題
もし、離婚ということになると名義が夫か妻かに限らず問題が山積みとなります。夫が連帯債務者であったり、連帯保証人であったりすると更に話はややこしくなります。ローンの契約内容を変えて連帯債務者を外したりするということは大変に難しいことです。借り換えをすることによって、それが可能になれば良いのですが、できない場合には返済を滞納したときにリスクが顕在化します。奥様による返済が困難になった場合、金融機関は連帯保証人である元夫に返済を求めようとしますが、元夫に連絡が取れず、奥様が他からお金の工面ができない場合には競売の実行を待つばかりになってしまいます。任意売却をしようにも連帯保証人と連絡がつかないようではそれもうまくできません。
■円満なのが一番
以上のような問題が考えられますが、夫婦円満であれば色々な問題はともに乗り越えていけることが多いのではないでしょうか。
もし、滞納や離婚などの問題で返済に困るようなことがありましたら、金融機関にご相談を、住宅ローンの返済中でも自宅の売却をしたいということになりましたら任意売却の専門家に相談をいただければと思います。