不動産基礎知識

競売における立ち退きに関する費用について

競売でマイホームが落札されてしまうと、やがて落札者から退去を求める連絡が入ることになります。それまで住み続けていた家から出ていくのは大変辛いことだとは思いますが、ここで立ち退きを拒否してもあまり良いことはありません。
立ち退くにしても費用が掛かりますが、少しでも負担を減らす方法はあるのでしょうか。

LP_banner_02

最終的には強制執行
もし、マイホームが競売によって落札されてしまったら立ち退きをどれだけ拒否しても最終的に強制執行という法的措置を取られてしまったらどうしようもありません。強制執行とは裁判所の執行官立会のもと強制的に荷物を家から運びだされてしまい家のカギも付け替えられてしまいます。もし、このとき引越し先などの手配をしていなければその日に住むところにも困るという状況になる訳です。
既に家の所有権は落札者のものになっていますので、立ち退きをしないですむためには落札者と交渉するしかありません。例えば相当な金額で落札者から家を買い戻す、家賃を支払って借家人として居続けるという方法がありますが、お金の工面が難しいでしょうし、落札者には落札者の都合がありますのでこれらの交渉が上手く行く可能性は低いと思われます。

引越し費用を貰う
住んでいる家から立ち退くのにもお金が掛かります。荷物の量や引越し先にも寄りますが、ファミリーでの引越しであれば30万円以上は掛かるでしょう。立ち退くために、この引越し費用を落札者が決まる前くらいには用意しておかなければいけません。
しかし、貯めることが出来なかったり、足らなかったりということはあることだと思います。このようなとき立ち退きを請求してくる落札者から引越し費用を貰うことはできないのでしょうか。

引越し費用の交渉
落札者から引越し費用を貰うのはなかなか厳しい交渉事になりますが、絶対に無理という訳ではありません。この交渉を成功させるためには引越し費用を出すことが落札者のメリットになることを伝えながら、退去を確実にするということを信用して貰わないといけません。
強制執行までの一連に要する費用よりも引越し費用を出してくれれば安く済むこと、すぐに立ち退くことを約束することで落札者のメリットを訴えるのです。落札者によっては、交渉に乗ってくれるとは思いますが、トラブルは避けたいと思っていますので落札者の心証を良くしておくことは大変重要です。
競売ではなく、任意売却でも引越し費用を債権者から出して貰うために交渉が必要になりますが、この交渉は専門業者が行うこともあり慣習的に引越し代を貰える可能性は競売よりも遥かに高いということがいわれています。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. マイホームを手放すことになってしまったら
  2. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  3. 後妻の子の相続における取り扱い
  4. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    DIYでマイホーム建築やリフォームを行う際、住宅ローンは使えるのか?

    自宅を購入する際、多くの方々に利用されている住宅ローン。これを利用する…

  2. 不動産基礎知識

    請求書と督促状の違いは何か

    商品を納める際に商品と一緒に請求書を納品先に渡すことがあります。請…

  3. 不動産基礎知識

    不動産の売却における二つの契約とは

    不動産を売却しようとした場合に、一般的には二つの大きな契約を必要としま…

  4. 不動産基礎知識

    マンション投資における損益通算の重要性

    マンションの販売会社からマンション投資を勧められる際の宣伝文句に、マン…

  5. 不動産基礎知識

    賃貸不動産経営管理士の必要性とは

    賃貸管理業務を行うには、業務に必要とされている専門的な知識と技能・技術…

  6. 不動産基礎知識

    競売による売却の結果、発生した残債の扱いは?

    住宅ローンの返済の滞納を続けていると、債権者である金融機関はできる限り…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    住宅ローンの債務不履行をわかりやすく説明すると
  2. 相続

    遺産相続の基本的な割合を知る
  3. 債務整理

    知っておきたい! 競売物件の基準価格とは
  4. 相続

    相続した不動産を登記するメリットとデメリット
  5. 離婚と不動産

    離婚を決意したら家を出るタイミングを考えよう
PAGE TOP