相続

債権者の代位権に基づく相続登記とは何か

相続が発生した場合には相続放棄や限定承認を行うまでの期限を始め、相続税の確定申告期限などといったように様々なことについて期限が設定されています。
これらの期限を無視したり忘れてしまうと相続税の加算などのペナルティを受けることとなりますが、不動産の相続登記については罰則がありません。
このため相続登記をせずに放っておかれてしまうケースがあるのですが、競売や差押えをしようとする債権者にとっては困ったことになります。
そこで法律は債権者が所有者に変わって相続の代位登記を行うことを認めています。

債権者の代位権
通常、相続による登記は相続した本人が申請を行うものです。
しかし、相続による登記はいつまでに登記をしなければならないという期限が無いためにいつまで経っても登記が行われないということが少なくありません。
しかし、被相続人に対して債権を有していた債権者が、自己の債権に基づき差押えや競売を申し立てる場合には相続の登記がなされている必要があります。
しかし、相続人本人にとってはメリットがないために債権者から要請しても相続登記が行われないということも考えられます。
そこで法律では債権者の保全を図るために、債権者代位に基づく債権者による登記申請を認めています。

債権者による代位の手続き
債権者は自分の債権を保全するために債務者に代位して登記申請を行うことができますが、相続登記の場合には債務者が被相続人となった場合に法定相続人に代位して相続登記をすることができます。
担保権の実行であっても債務名義に基づく強制競売であっても相続を原因とした所有権の移転登記がなされていない場合には債権者代位に基づき相続を原因として所有権移転の代位登記を行う必要があります。
しかし、代位だからといって簡単に手続きが行われる訳ではありません。
債権者は相続登記に必要な書類を自ら揃える必要があります。債権者は遺産分割協議の内容までは分からないので法定相続分で相続登記を行うことになります。債権者は戸籍謄本の収集を行い、家庭裁判所へは相続放棄の有無について問い合わせるなど相続人の確定に手間を掛けることになります。

債権者代位による権利証
相続登記を行った場合には登記の完了に合わせて登記識別情報が発行されます。
しかし、債権者代位によって相続登記がなされた場合には登記識別情報が発行されません。
代位登記は法定相続分で登記されますので、その後、遺産分割協議が整った場合にそれに合わせて移転登記を行いますが、このときに代位登記によって登記された持分が移転しない場合には登記識別情報が発行されません。
この場合は売買に際し、権利証が無いケースで取引を行う必要がありますので注意しましょう。

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