競売物件は、一般の不動産物件の相場よりも3割~5割ほど安く購入できます。不動産を安く手に入れたいが為に競売物件の購入を検討している方、注意が必要です。一般の物件を購入する時とは条件、状況が違ってきますので、後悔の無いように注意すべき点を見ていきましょう。
競売とは
買い手に値を競争でつけさせ、最も高値を付けた人に売ることを競売といいます。不動産競売では裁判所が入札期間を定め行われます。開札の際は入札者も立ち会いの下行われ、一番高額の値をつけた人が落札者となります。
入札をするには保証金として手数料がかかり、購入希望物件の売却基準価格の2割以上の金額が必要となります。
さらに、競売物件の購入には住宅ローンを組むことが難しい面があります。競売物件でも住宅ローンを組ませてくれる金融機関は一部しかないため、落札した後に住宅ローンが借りられないとなると、入札の際の手数料は没収されることになるので注意が必要です。
競売物件の特徴
持ち主が住宅ローンを返せなくなったとき、第一の選択肢として任意売却をする方法がありますが、買い手が見つからなかったり、持ち主が売却しようとしなかったりという状況になった場合に競売へと移行します。
競売物件を購入する際の注意点はいくつかあります。まず、物件の内覧をすることができません。入札前に確認できるのは裁判所が調査した「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」のみで、実際に自分の目で確認することはできないのです。
このため、購入後に初めて物件を見てみると思っていたものと違う部分や、物件自体に問題があることも考えられます。一方、一般の不動産を購入した場合であれば「瑕疵担保責任」が適用され、売り手の責任となり修繕や解決をしてもらうことができます。
競売物件の場合、瑕疵を覚悟して入札しているとみなされるため、瑕疵担保責任は適用されませんので注意が必要です。
瑕疵担保責任とは
購入した不動産に「瑕疵」があった場合、売り手が責任を持って解決しなければならないというもので、不動産売買の契約書に必ず記載されています。「瑕疵」とは隠れた欠陥や不具合のことをいいます。
瑕疵担保責任は契約不適合責任へ
民法の改正により、2020年4月1日から「瑕疵担保責任」が廃止され、新たに「契約不適合責任」となります。意味合いとしては同じもので売買を安心して行えるようにするための法であり、大きく変わる一つとしては、売り手に責任を請求できる期限が1年から5年に変更されます。
その他変更される部分はいくつもありますが、競売については瑕疵担保責任と同様の内容で、適用されません。
まとめ
一般の不動産に比べ、競売では安く不動産を手に入れることができます。ですが瑕疵担保責任が適用されないとなると、その物件にある不具合や問題を自身で解決しなければならないため、結果一般の不動産を購入するよりも高くなってしまうことも考えられます。
競売物件の購入を検討しているのであれば、競売の方法やリスクをしっかり理解することが大切です。不動産は大きな買い物です。納得のいく物件と巡り合えるといいですね。
不動産のことに関して何か疑問やお困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。