債務整理

当事者が払わずして誰が支払う? ~競売における強制執行費用~

住宅ローンなどを滞納してしまった方は、夢のマイホームをやむを得ず競売にかけるしか道がなくなった場合に決断することでしょう。この競売にかかる費用、意外と掛かるものです。今回は、強制執行をするのにいかほどの費用がかかるのか調べてみました。

強制執行には、このくらい費用がかかる!

もし、マイホームが競売にかけられたとした場合。
裁判所が競売を開始し、落札した人がその額を裁判所に払って住宅ローンの返済などに割り当てることになったとして、「引き取り手が現れてよかった、これで全て終了だ」とお思いになるかも知れません。しかし、これで全てが終わるほど競売は単純な話ではありません。

競売をするとした場合、競売には相当な費用がかかることも承知しておく必要があります。
不動産の競売申立てに要する費用には、申立印紙代・申立郵券・予納金・登録免許税などがかかります。この費用は最終的には、競売不動産の売却金額から優先して申立人に償還されますので、債務者が支払と言う事になるのです。

競売をするときは・・・

先に申しましたが、競売申し立てには費用がかかります。

1.印紙と申し立て費用、印紙は16000円程度で申し立て費用は4000円程度かかります。
2.差押をする際の登記費用→請求債権額は4/1000程度かかります。
3.予納金→不動産の数や請求債権額などにより左右され、多い時には、おおよそ200万円程度が必要です。

2と3が大きく比重を占めます。競売申し立て費用のほとんどを占めているといってもよいくらいで、1については費用全般から見ますと軽微です。こういった費用は、落札した人が負担すると思われがちですが、実際に負担するのは債務者であるということを強く認識しておきましょう。

立ち退き

競売を終えた後には、債務者は落札者にマイホームを明け渡すことになります。この結果、債務者は立ち退きの対象となり、新たな住まいへと住居を移動することになります。

落札から約2か月間の猶予

物件が落札された後ですが、債務者は落札者に物件を明け渡さなければなりません。
その猶予は約2月です。その間に新たな転居先を見つけて、落札物件から退去しなければなりません。退去できない場合はさらに法的な処置が待っています。

退去及び転居にかかる費用

転居にかかる費用で大きなものとしては、新居への入居費用と引っ越しに関する費用でしょう。転居が賃貸物件の場合には、最初に入居費用がかかります。これは入居先にもよりかなり変動する費用です。

引っ越し費用も業者によって異なりますが、家財道具の多さや場所などによっては数十万円くらい見積もって置いたほうがよいでしょう。もちろん、業者に依頼せずレンタカーからトラックを借りて引っ越すのであれば車のレンタル料と燃料費だけで事足ります。

まとめ

以上、競売における強制執行の費用について説明しましたが、実際にはもう少し費用が出る場合もあります。

競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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