不動産基礎知識

住宅ローンが残っている家を売却し、プラスの利益を得られるケースとは

住宅ローンで家を購入したものの、生活環境の変化などによって、ローン返済期間中に売却を考えることもあり得る話でしょう。その場合、売却金はローン完済に優先して用いられることになりますが、売上金がローン残高を上回りプラスの利益を得るパターンも見られます。

マイホーム売却と築年数

多額の資金が必要となるマイホームの取得。その金額は大抵、国民の平均年収の数倍にまで達するのが一般的であり、これを自己資金のみで賄うのは至難の業と言わざるを得ません。

比較的マイホーム購入の難易度を下げる方法としては、住宅ローンの利用が挙げられます。金融機関から住宅購入用の資金を借り受け、その返済を月々の分割払いで行い、長い年月を掛けて完済するというわけです。その返済期間は大抵、中古物件と新築物件双方の条件を平均して考えると、30年前後が標準的と言えます。

建築物は総じて、築年数が経過するにつれて価値が低下していく傾向にあるのが主です。それは住宅ローンで購入した自宅に関しても同様であり、言わばローン返済を履行していくにつれ資産価値は減少していくことにもなります。

住宅ローンが完済する頃の資産価値の変動を見れば、マンションの部屋物件では購入価格の40%台、戸建物件においては実に購入価格の10%台にまで価格的に落ち込むのが常です。
ローン債務が解消し、住宅に関する権利が完全に所有者のものとなった時期、住宅売却を行えば、その売上から必要経費を差し引いた分に関して所有者の利益となります。しかし、購入価格からの減少額を考えれば、必ずしも大きな収益を得たとは言い難いのではないでしょうか。

場合によっては、たとえローン返済期間中であっても売却を決断した方が、結果的に後々のメリットに繋がるとも考えられます。つまり、任意売却によって売却収入を確保し、それを将来のために活かすという道も選択できるわけです。

任意売却とアンダーローン

任意売却とは、住宅ローン未完済の状態すなわち、債権者にローン残額を返さなければならない状況で行うことができる不動産売買です。これには、通常の不動産取引とは異なる条件が発生することになります。

主な条件としては、債権者側の同意および協力が必要という点が挙げられます。住宅購入資金が完済されていなければ、購入物件に債権者側の抵当権が掛けられ、所有者が自分の意向のみで物件を不動産として扱うことができません。そのため、売買契約を進めるには債権者側に抵当権を抹消してもらうことが必要となるわけです。

加えて、任意売却で得た売上金は、住宅ローン残額の補填に充てられます。そこで売上金が余った状態であればアンダーローンとなり、売主側が余ったお金を受け取れます。しかし売上金がローン残高に達しなかった場合にはオーバーローンとなり、売主はマイホームを失いさらにローン残債の債務を継続して負うこととなります。

また、任意売却による販売活動は大抵、裁判所が執り行う競売の準備と同時進行となります。競売とは購入希望者が提示する入札価格のうち、最高値を挙げた希望者にその価格で落札する売却形式です。

競売の落札価格は概ね、一般的な不動産価格を下回るため、債権者側としては任意売却の方が高値で売却できることとなります。競売には落札日が設定されており、任意売却ではその期日が来る前に契約を完了させなければなりません。

任意売却には、上記のようなオーバーローンや競売落札というリスクが伴います。しかし、任意売却に精通している不動産会社のバックアップを得ることで、それらリスクを避けながら、アンダーローンによる利益獲得を目指すことも可能です。

有効な手段としては、定期的にマイホームの価格査定を受けることが挙げられます。査定結果でローン残高より高値の売却額が提示されれば、任意売却により売却益が得られ、それを後々に活かすという選択肢も見出せるというわけです。

まとめ

以上のように、住宅の築年数による価値減少や住宅ローンのルールなどに触れながら、アンダーローンの任意売却によって利益が見込めることについて確認してまいりました。

価格査定のサービスを利用するなど、マイホームが現在どれほどの価格で売れるのか把握しておくことが第一と言えます。

不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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