そもそも競売物件とは、元の所有者による売却(任意売却)ではなく、裁判所の決定によって売却されることが決まった物件のことになります。裁判所が作成した調査報告書や評価書などを基に、購入希望者入札を行うのですが、その情報が変更になることもあるのです。
情報が変更になる場合
競売の買受希望者は、「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」といわれる3点セットの詳細を把握して、応札するかどうかを判断します。ただし、3点セットは重要な資料ではあるものの、内容が保証されているわけではありません。
例えば、競売の目的物が火災などにより消滅してしまった場合や、3回の売却を実施したにも関わらず売却には至らず、このまま競売を続けても売却の見込みがないと判断された場合などは、「取消」となることもあります。
また、競売申立てを行った債権者が、競売申立てを撤回することもあります。そのような場合は、その事件は「取下」となります。取下げ時期は、競売の開始決定がされて後から売却代金が納付されるまでは、いつでも申立てを取下げることができます。
その他、入札までのスケジュールが変更になることもあります。事例としては、評価書作成後に売却基準価格に影響を与えるようなことが発覚した場合、評価額の見直しを行うために入札までのスケジュールを変更して、遅らせるなどの対応がとられることになります。
裁判所の職権による変更
裁判所の職権による変更とは、国などの機関や公務員などに認められた権利であり、裁判所の職権を実行することで変更となることです。競売の中止や停止、変更など、債権者や債務者の都合により競売にもたらされる影響もありますが、裁判所の職権によって変更することが可能なのです。
競売物件の情報が変更する場合、裁判所の職権による変更が行われます。競売における3点セットが対象となり、この重要な資料に変更が生じれば、裁判所はその変更内容を十分に検討したうえで、売却手続きの内容を変更することを、職権によって実行できるのです。
その他にも、売却の日時や場所などが定められた「売却実施命令」を、一時的に延期する対応をとることができます。これは、競売と同時に行われていた任意売却で、債権者にとって良い条件が出てきた際に、競売と任意売却のどちらかを選択するための期間です。
まとめ
買受希望者にとって、競売は裁判所が行う「売買」だと印象が強くあると思われますが、そのため、「順調に進むものだ」という思いも強くなりがちです。しかし、競売でもスケジュールが変更されることもあります。競売を検討される方は、余裕をもって取り組みたいものです。
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