債務整理

債務負担行為とは一体どのような行為なのか

債務負担行為という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。言葉通りであれば、債務を負担する行為ということになるのでしょうが、いまひとつイメージが掴めません。債務負担行為についてみていきます。

LP_banner_02

行政における債務負担行為
国や地方公共団体などの行政機関では、原則予算にしたがって処理を行っていかなければいけません。逆にいえば予算として計上されていない内容の行為を行うための支出をすることはできないということになります。国や地方公共団体などでは大規模かつ長期的な工事などの契約も多く、予算が付かなければその年の代金が支払えないということでは請負者も困ったことになってしまいます。このため債務負担行為という考え方が必要になるのです。
債務負担行為とは、一般的には長期すなわち1年以上の期間に渡って発生する支払いの決まった金額について、予算としての計上はしないまでも、その支払い額を記載しておくということです。例えば来年は5千万円、再来年は3千万円、工期の最終年には2千万円といったように記載をしておき、将来に到来する支払いを意識しておくということなのです。
また、債務負担行為に似た言葉で支出負担行為というものがあります。この支出負担行為とは、国や地方公共団体がお金を支払う場合には、その原因となる行為が必要であり、この原因となる行為のことをいいます。例えば工事の請負契約の締結などは支出負担行為に該当します。
逆にいうと支出負担行為が無いものに国や地方公共団体はお金を払うことができないのです。

マイホームでの債務負担行為
国や地方自治体ではありませんが、債務負担行為とは、一般家庭におけるローンと同じようなものになります。マイホームを購入する場合には、長期に渡って返済を続けることとなりますから、債務負担行為と呼べると考えられます。
行政の予算編成時には常に債務負担分を意識して計画が立てられますが、個人においても住宅ローンの返済額について意識した上で収入に基づく支出計画、すなわち生活費の使い方を考えることが大切です。
なお、住宅ローンの返済が債務負担行為であれば、支出負担行為は金融機関と締結した金銭消費貸借契約ということになります。

自己破産における免責不許可自由
自己破産手続きの中で債務負担行為が問題となることがあります。自己破産によって、債務を返済することを免除されることを免責されるといいますが、この免責には裁判所の許可が必要になります。
しかし、借入やクレジットカードで購入した商品の現金化などによって不当な債務負担行為であると認定をされてしまうと免責不許可事由となることがあり、自己破産できなくなるので注意が必要です。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  2. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  3. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  4. 不動産の売却に年齢制限はある?
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 債務整理

    競売リスクを伴う銀行ローン

    住宅購入の為、銀行から借入をしたものの、支払いが難しく滞納が続いてしま…

  2. 債務整理

    競売の入札における代理人に対する委任状

    競売において、代理人による入札を行う場合があります。第三者による競売の…

  3. 債務整理

    競売における売却基準価格とは何か

    競売における売却価格を売却基準価格といいます。これは裁判所が決めるので…

  4. 債務整理

    競売物件の明け渡しについての流れ

    めでたく競売の物件を落札でき、所有権の移転を済ませた方は次に大きな案件…

  5. 債務整理

    債務整理で問題となる偏頗弁済とは何か?

    債務整理の方法として主に任意整理、個人再生、自己破産がありますが、債務…

  6. 債務整理

    債務整理の期間中に新たな借入はできるか?

    債務整理の手続きを行うと信用情報機関に登録されるため、この情報が抹消さ…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 賃貸オーナー様

    大家さん自身の賃貸管理。資格がないとダメ?
  2. 不動産基礎知識

    競売における続行決定申請とは何か
  3. いろいろ

    競売における契約書とは何に該当するのか?
  4. 不動産基礎知識

    不動産の競売と自己破産の関係性について
  5. 債務整理

    競売物件の所有権の移転を行うには
PAGE TOP