競売物件の購入は、一般の不動産売買と比べて低価格であるという他にも、メリットは色々とあります。競売は、プロの不動産業者が落札して販売するというイメージが強いと思いますが、近年は一般の人にも身近な存在となっています。今回は、競売のメリットについてご紹介します。
競売とは?
競売は債務者が住宅ローンの返済不能に陥ったとき、銀行などの債権者が裁判所に申し立てることで、担保としていた債務者所有の不動産などの資産を差し押さえ、裁判所の権限により強制的に売却することを言います。
購入時のリスク
競売物件は、市場価格の約6~7割の価格で買えるというのが最大の特長です。低価格で掘り出し物を買えそうだと考える人もいますが、そこには様々なリスクが伴うことも事実です。リスクとは具体的には次の様なことが考えられます。
●内覧が引き渡しまで出来ないことや欠陥があっても保証されないこと
通常、不動産屋が媒介する物件では、事前に建物の内覧ができます。また売主の担保責任を問うことができます。しかし、競売の物件は内覧もできず、なんらかの瑕疵(雨漏り、白アリ被害など)があった場合も、その責任を問うことができません。
●物件の引き渡しが保証されないことと、占有者(前所有者)の立ち退き交渉が必要になる場合があること
競売の場合、名義の書き換えのみとなり、占有者が居座った場合、落札者が立ち退きの交渉をします。建物の明け渡し強制執行をする場合、債務名義上の債務者と占有者とが立ち退きに合意しなければならないため、占有者が居座った際には強制執行が困難になります。
そのため購入に際しては、不動産の専門家などに業務や交渉の代行を委託されることをおすすめ致します。もちろん手数料は発生しますが、自身で解決しなければならない問題が発生する可能性もあるため、それらを避けるには止むを得ない出費と言えるでしょう。
競売で物件を購入するメリット
低価格以外にもメリットはあると上述しましたが、その点を見てみましょう。
◎銀行ローンを使用できる可能性がある
平成10年に民事執行法が改正されて、銀行ローンで購入できるようになりました。これは買い手にとって大きなメリットでしょう。ただし、個人で銀行へ競売物件ローンの申込みをしても、受け付けてもらえる可能性は低いと言えます。
競売の手続きの中、買受人になれるかどうか分からない段階で、融資の審査に通るのは困難です。結論としては、銀行ローンを活用して物件購入する場合は、ノウハウを持った不動産会社に協力を仰ぐ必要があります。
◎保証金が返金される
競売不動産を買う場合には、手続きの入札期間内に価格を指定して、入札しなければなりません。この時に支払う保証金は、売却基準価額の20%以上になります。
万が一、落札できなかった場合でも、全額返金されます。そのため落札が出来なくても経済的な不利益を受けることはありません。
◎特別な物件を探しやすい
一般流通と比べて、特殊な不動産を見つけやすいと言えます。例えば、四角ではなく三角の形をした変形地などです。また市街化調整区域内にある土地も少なくありません。
◎消費税がかからない
競売物件は、購入しても消費税がかかりません。通常の不動産会社の媒介する売買形式だと購入価格に対して10%が課税されます。その他にも物件購入時に競売の場合、担保権を外せるのかは大切なところですが、競売で不動産を落札すると担保権は消滅するので問題はありません。
まとめ
今回は、競売のメリットをご紹介しました。競売にはこれまでに述べた様に一手間かかる物件もありますので、銀行ローンやその他に交渉は、競売実績のある不動産の協力をお願いして進めましょう。
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