夫婦が離婚を決意し、互いに別居生活をすることになると荷物の処遇が問題となっていきます。結婚した後に買ったものは共有財産になりますが、結婚以前に購入したものは、新たな生活拠点へと運び出して使用する事になります。
持ち出すべきもの
別居する事になったならば、新しい生活拠点への引っ越しを伴います。前述の様に結婚した後に買った物、特に家具、家電類については原則として、共有財産となっていますので、持ち出しをする際にはあらかじめ、持っていって良い物を把握しておきます。
持ち出すものに関しては、個人で使用しているものとなるのが原則的で、結婚前もしくは結婚後に購入した衣服類などです。これらは別居後に生活するために必要な物であり、尚且つ個人の財産なので、それらに関しては持ち出しても問題はありません。
先に触れた家電や家具類のうち、個人で購入して使用している物は財産分与の適用外となりますので、衣服類など同様、新居への持ち出しをしても支障はありません。
実際に運び出す際の注意点
共有財産で、財産分与後、持ち出しの同意を得た物に関してはマーキングしてから荷造りを行うと、当日の運び出しを効率よく行えます。
引っ越し業者に依頼する場合、単身者向けプランが設定されているところが多く存在します。費用の負担については離婚調停の際、どちらが業者に支払うのかを事前に決めておきましょう。それ以外にも個人でレンタカーを借りて、親族や友人などにお願いしてから運び出すケースもあります。
業者に依頼する際には、1社ではなく複数の業者に見積もりをお願いしておくと費用面においても負担を抑えられるでしょう。
残された住宅ローンと任意売却
一戸建てやマンションなどのマイホームは、購入の際に金融機関から土地や建物を担保に融資を受けるのが一般的です。しかし、離婚時に住宅ローンを完済していないのであれば、支払い義務は当然残ります。離婚後・別居後の支払いはトラブルの原因にもなり得ます。
住宅ローンを完済する場合、離婚前に任意売却を行うという手段があります。まずは金融機関に事情を説明し、抵当権解除の承認を得た後で不動産会社に買取の見積もりをお願いします。
任意売却の手続きを取らないまま、住宅ローンの滞納を続けると、債権者である金融機関からの訴えを受けた裁判所が競売で住宅を処分してしまう為、市価と比べ6~7割程度の価格で売却されてしまいます。当然、その分多くの住宅ローンが残ることになります。
まとめ
くりかえしになりますが、離婚後のスムーズな荷物の運び出しの為には、新居へ持ち出す荷物をあらかじめ把握して置くことが大事です。結婚後に購入したものについては財産分与の際、どれを誰が持ち続けるのかきちんと確認しておくとも重要です。
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