離婚は通常、違法行為をした事を認めて支払う慰謝料と、もうひとつ違法行為は認めてはいないが解決のために支払われる解決金があり、それらを総じて「和解金」と呼びます。
和解金とは?
現在、離婚する夫婦の約90%が、協議離婚という形で離婚しています。これは夫婦で話し合って合意し「離婚届」を提出する事で成立する離婚の形です。
しかし、離婚に向けて夫婦で話し合いをする際、一方が離婚に納得しないケースがあります。そのような場面で登場するのが「和解金」です。離婚を嫌がっている配偶者に和解金を支払う事で、離婚後の経済的不安が解決され離婚に応じる可能性があります。
離婚で発生するお金のやりとり
離婚を進めると次のような支払いが発生します。
・年金分割
・婚姻費用
・養育費
・慰謝料
・財産分与
などです。この他に、又はこれらを含むものとして和解金を支払う事があります。
和解金の相場について
結論から申し上げると、和解金に相場はありません。夫婦同士の話し合いにより妥当な金額を決めます。100万円程度で合意を得られる事もあれば、1,000万円以上の支払いをする事もあります。妻が専業主婦の際には、夫がそれなりに誠意を示す事も大事です。
和解金に税金はかかるのか?
和解金は通常、税金はかかりません。また、和解金が離婚の財産分与の名目で使用されても税金はかかりません。これは財産分与に対し課税すると、離婚後の生活が不安定になる可能性がある為です。
ちなみに、慰謝料を謝罪金や示談金の名目で受け取った場合も、税金は掛かりません。これは単に財産分与をしただけで、夫婦が新しく利益を受け取るわけではなく、もともと所有していた財産を、離婚によって分けただけというのがその理由です。
ただし、全てのケースにおいて税金がかからない訳ではなく、税金がかかるケースもあるので注意は必要です。
和解金の受取方法は現金に限る
離婚して支払う和解金や慰謝料は、必ず現金で支払う事が得策です。なぜならば、不動産などの物で受け取ると、時価評価によっては税金がかかるからです。また不動産の名義変更の手続きで、登録免許税がかかり、受け取った物により税金や手続き費用がかかる事があります。
さらに大事な事は、和解金や慰謝料の支払いは「公正証書」を作成し、書面に証拠として残す事です。公正証書の場合、他の書面と違って脱税や贈与ではない事を証明する強い証拠になります。
公正証書に支払条件を明記しておく事で、万が一支払いが滞ったときに裁判をしないでも強制執行する事も出来るのです。
まとめ
和解金や慰謝料は、金額や財物によっては税金がかかる場面もあります。また受け取るタイミングによっても、贈与を疑われる可能性もあるのです。離婚時に慰謝料や和解金を受け取る時は、事前に税理士や弁護士に相談してから進める事をお勧めします。
競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。