相続は、名義変更や税金、分配など大変な手続きが多いです。その中でも、現金と違い遺産が土地になると少し取り扱いが特殊になってきます。ここでは土地相続で問題になりやすい、土地分配と相続税について考えていきたいと思います。
■土地の分配について
土地を分配する方法には大きく分けて、現物分割、代償分割、共有、換価分割の4つの方法があります。
◎現物分割
建物・土地を直接分ける方法です。もし自宅が境界線上にまたがっていた場合は撤去の必要性が出てきます。基本的に均等に分けるのが困難ではありますが、広い敷地には有効な分配手段です。
◎代償分割
自宅を一人で相続し、残りの相続人に自宅の価値に応じた金銭を支払うことと分割代償と呼びます。不公平が生じぬよう不動産関係の専門家に相談して価値を決めるのをお勧めします。
◎共有
土地建物を相続人同士で分け合い共同で所有する方法です。不動産をそのままに互いに居住することができ、一時的には公平な分割方法ではありますが、相続人が死亡して次の相続が発生した場合や売却や建替えする必要が出てきた時トラブルに発展する可能性があります。
◎換価分割
自宅を売却して売上金を相続人同士で分け合う方法です。4つの方法の中で一番均等に財産を分けられる方法ですが、売却金額に対して全員が納得しなければならないのと、売却した金額に譲渡所得税や手数料がかかる可能税も出てきます。
被相続人の遺言があればスムーズに事が運ぶことも多いですが、一番重要なのは相続人同士が互いの意思を尊び、折れ合うのが解決に向けての近道ではないでしょうか。
■相続税について
被相続人が基礎控除額(3000万円+法定相続人の数×600万円)を上回る資産を持っていた場合は相続税を納める義務があります。土地の相続では物件の評価が必要になり、路線価(道路に接した宅地の1平方メートル当たりの価格)を使い計算します。
下記のように路線価をその土地の形状に応じた奥行家格補正率など各種補正率で補正した後に、その土地の面積を乗じて算出します。(春頃送られてくる固定資産税の納税通知書に土地の面積が記載されています。路線価は国税庁のホームページで確認できます。)
評価額=(正面路線価)×(奥行価格補正率)×(面積)
もし、路線価が定められていない地域は固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。
◎小規模宅地の特例
相続した宅地が相続前から被相続人の事業に利用しているか、被相続人と共に生活をしている配偶者又は親族がいて、相続開始から相続税の申告期間の間に相続した宅地を継続して利用することを条件に小規模宅地の特例を受けることができます。
この特例では土地の広さに上限が設けられており、居住用宅地では330㎡、事業用宅地では400㎡と決まっています。貸し付け事業用でなければ80%と非常に高い減額率でとても効果的な節税対策になります。
相続税の申告はお一人で済ませるには難しい手続きになると思います。もし不動産の相続税、分配でお困りのことがありましたら、アブローズまでお気軽にご連絡ください。