競売を不動産投資と考えている人も多くなっています。競売の仕組みの流れを理解する事で、何が大事か、何に注意すべきかなど見る必要があるのです。それをふまえて、「競売不動産の手続きの流れ」について客観的に紹介しましょう。
競売における全体の仕組みは2つ
大きく分ける内容の違いは、競売に掛けられる前の準備段階と、競売に掛けてからの落札を経てから、購入者(買受人の事)決定によって購入者に手渡される(移転登記)までになります。
ここで注意したいのは、入札までの前準備の間に取消しが十分に考えられ、競売を取りやめて「任意売却」に移行する可能性も残されています。(「開札期日」の前日まで)
競売に掛けられる前の準備段階
競売の多くは、金融機関に対する住宅ローンの支払いが滞っており、これ以上ローンの返済が困難だと判断された場合に、抵当権を保有している金融機関によって、競売の手続きが行なわれます。
【1.競売の申立てを行なう】
債権者などにより、物件の管轄する執行裁判所によって申請を行ないます。
【2.開始決定や差押えの嘱託登記】
裁判所が、対象となる競売物件を、差押える権限を決定します。裁判所から法務局に対して、「差押え」登記が依頼されます。
【3.売却手続き】
〇裁判所から執行官への現況調査命令
執行官は、現地での実際の物件を事細かに調査する為に、不動産鑑定の資格を持った専門家と同行して、競売物件の評価に必要な調査を行ないます。
〇裁判所からの評価書の提出
評価書などは、評価額や不動産の環境の概要など、評価額算出の根拠について報告します。
〇債権者の債権届出と配当要求
配当要求終期の決定によって、債権者に対して配当要求の届出の催告を行ないます。
〇裁判所の物件明細書
評価書の提出によって、買受人が引き継がなければならない権利・売却する条件などを明記した「物件明細書」を準備します。
〇最低売却価格の決定
売却基準価格を決定する事で、競売に参加する人達の入札対象物件かどうかを判断する材料になります。
〇不動産売却方法等の公告
裁判所は、新聞広告やBIT(不動産競売物件情報サイト)や裁判所の掲示板などで、「売却基準価格」や「入札期間」、その結果を示す「開札期日」を知る事ができます。
競売の入札から買受人への引渡しまで
競売の準備が整うと、入札希望者は「開札期日」の前日までに、入札の申込を行ないます。
【1.入札の種類は2つ】
「期間入札」は、入札する期間が1週間の間に入札届出を行ないますので、郵送でも入札を受け付ける事が可能ですが、「期日入札」は当日のみの申込のみとなる為、直接会場での申込が必要です。
【2.開札と入札結果】
開札期日の当日は、参加者は買受可能価額の最低の価格以上から、入札者の中での1番高い入札金額を提示した人を「最高買受申出人」として選出します。同じく2番目の入札者である「次順位買受申出人」も決まりますが、取消しや資格不適当の理由がない限り次位に機会はなく、「最高買受申出人」が「買受人」となります。
【3.売却許可決定の通知】
債務者が自ら落札する事や、「買受人」の犯罪に関与した事があるなど、売却不許可事由に該当しない場合をクリアする事で、売却許可決定となります。債務者に通知が届くまでに、異議を唱える執行抗告がない限り売却許可は決定されます。
【4.買請人に代金納付期限通知書の通知】
納付書が届いて1週間以内に保証金(価格の約20%)以外の残りの代金を支払う事で、競売物件が落札者の物となるのです
【5.配当金の分配と所有権の移転手続き】
代金の支払いによって、裁判所が債権者などへの配当を行ないます。同じく、所有権の登記移転に関しても裁判所によって法務局の書記官に依頼して登記が完了となり、鍵の受け渡しが行なわれます。
【6.競売物件の「占有者」の立ち退き】
中には、お金がなくて転居する事が不可能な場合もあります。強制執行の手続きには時間が少なくとも3カ月程度は要するので、引渡し命令申立てを裁判所に対して申請し、強制執行の許可を得て立ち退きを行なう事になりますが、人道的には考えさせられる事もあるので、できるだけ話し合いで解決できるようにした方がよいでしょう。
まとめ
不動産の手続きの流れを紹介しましたが、大きな注意点としては、「占有者」に対する対応は、問題になる事が多いので、競売物件の告知の段階で調べる事ができますので、できる限りトラブルを避ける物件を選ぶ事が重要です。
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