株式投資では、投資先の企業の実態を把握するために、財務諸表を読み解くスキルが必要となります。では、不動産投資においてはどうでしょう。自己物件である不動産経営で財務諸表を解読する知識が必要となるのかを、財務諸表の解説を交えながら説明しましょう。
財務諸表とは
事業経営をしていると、株主や金融機関などの外部の人に対して、事業の実態を公開する場面があります。事業の実態を正確に相手に伝えるためには、共通のルールに基づいた企業情報の作成が必要となります。
この共通のルールは「財務会計」と呼ばれ、以下の計算書などの作成が求められます。
〇貸借対照表(B/S) 〇損益計算書(P/L) 〇キャッシュ・フロー計算書(C/F) 〇株主資本等変動計算書 〇個別注記表 〇付属明細書
貸借対照表がストックの状態を表し、損益計算書が1年間の成績を、キャッシュ・フローが手元に残るお金の金額を表しています。
不動産投資にとって財務諸表とは
不動産投資をするにあたり、財務諸表の知識は必要となってきます。しかし、前述した全てを理解する必要は必ずしもなく、確定申告の際に青色申告が受けられるよう義務付けられた計算書類である、「正規の簿記」の原則により作成された損益計算書と貸借対照表を作成するスキルは必要になります。
不動産投資は、長い年月をかけて収益を獲得する事業です。土地や建物に投資し、長期間保有をして家賃収入を得ながら、借入金の元本と利息を返済し、長期的に利益を得ていくことが目的です。
重要なのは、長い期間の中では、不動産の価値が変動し、さまざまなお金の動きがあることです。
財務諸表は、お金と物の動きを一体的に情報としてとらえることができるのが特徴です。長期に渡る事業であるからこそ、その途中時点でお金と物の状況を的確に把握することや、将来のシミュレーションを行うことが重要であるといえるのです。
貸借対照表からみる不動産投資
不動産投資を貸借対照表の視点でみてみると、資産の部には建物や土地などの収益不動産、また家賃収入得た現金資産が計上され、負債の部にはローンで投資をしている方は借入金が入り、現金派の投資家の場合には自己資本がほとんどを占めるという形になります。
不動産投資家の資産状況を貸借対照表にまとめることで、不動産の規模の把握と、不動産投資に借入金を活用しているのか、現金を使っているのかがわかります。
投資を開始した当初は、貸借対照表には購入したばかりの不動産の評価額とローンの残高、自己資金の金額がそれぞれの部門に入ることになりますが、期間が経過するにつれて、減価償却がすすみ建物の価値は下がっていきます。代わりに家賃収入が入ることで、現金の残高が増えていきます。
貸借対照表をみていくと、当初は負債をうまく使って大きな資産を得て、収益物件から入ってくる現金をもとに負債を圧縮して、純資産を増やしていくという、不動産投資の活動が良く見て取れます。
まとめ
不動産投資をするのであれば、財務諸表を読みこなすスキルは重要ですが、全てを理解する必要はありません。しかし、資産と負債の違いを理解させてくれる最適なツールですのでぜひ活用すべきです。
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