住宅ローンを滞納して返済できないと競売にかけられ、強制的に立ち退きを迫られ、債務や精神的なダメージが残るなど大きな負担がかかってきます。任意売却は、競売を回避するための期間や期限があり、それを過ぎると競売を中止できなくなります。今回は、いつまで任意売却ができるのか? 期限や時期について見ていきましょう。
競売と任意売却
競売は、金融機関から借りた住宅ローンの支払いが滞った場合に申し立てによって、裁判所が不動産を無条件で差し押さえ売却することです。また、任意売却は住宅ローン返済を金融機関の合意を得て不動産を売却して清算することです。
競売と任意売却の流れ
住宅ローンの返済が滞り、一括請求や催告書が届くと、債権者による代位弁済で期限利益喪失し、個人信用情報登録がされブラックリストにのります。保険・債権回収会社のローン回収の返済にあたり不動産売却交渉で競売か任意売却にするのか検討します。
〇競売の流れ
債権者の競売申立て ⇒ 裁判所による現状調査(執行官が写真撮影など実施) ⇒ 担保不動産の評価書作成 ⇒ 裁判所での情報公開(近隣周辺や業者、投資家などの訪問) ⇒ 期間入札開始 ⇒ 競売による開札 ⇒ 裁判所による強制売却許可決定 ⇒ 不動産の引渡命令(強制退去の可能性有、残債務の相談)
〇任意売却の流れ
弁護士や司法書士への相談 ⇒ 任意売却の媒介契約締結 ⇒ 債権者に任意売却申請(任意売却意思を債権者に報告・交渉) ⇒ 不動産売買活動開始(ネット・チラシ広告作成) ⇒ 買主決定(買主と不動産売買契約締結) ⇒ 引越しの相談 ⇒ 任意売却完了(債務金の返済) ⇒ 住宅ローン残債務確定(残債務金の支払方法相談)
競売申立ての取り下げ
◇開札期日前日までの競売申立て取下げは可能です。
◇落札者決定後でも代金納付前に落札者の同意を得れば、競売申立ての取下げは可能です。
◇落札者(買受人)が代金を納付した後は、取下げはできません。
任意売却の可能期限
任意売却の期限は、開札期日の前日までに手続きをする必要があり、債権者と価格交渉をして買主を見つけて配分調整をし、抵当権抹消についての承諾を得て売買契約締結決済を完了させなければならないなど時間がかかるため、買主を見つけることから始めるなら1ヵ月ほどの期間が必要です。
期間入札開始期日の1ヵ月前まで任意売却の申し出をしないと、債権回収会社によっては受け付けない場合もあり、申し出る最終期限は一概に言えません。しかし、競売開始決定後でも任意売却はできますので早めに相談して余裕があれば成功する可能性は高まります。
まとめ
任意売却は、競売を回避するために色々と時間がかかります。裁判所が競売開始決定をした後では早急に競売申立て取下げを期限内に終えなければなりません。任意売却の手続きができるのは、保証会社の代位弁済後ですので住宅ローンの返済ができなくなったら滞納初期の段階で早めに任意売却を検討しましょう。競売入札が迫っていても、可能性はありますのであきらめずに相談してください。
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