あまり聞きなれない言葉に「競売」というものがあります。「競売」で物件を購入することは、通常の物件よりも格安で手に入れられることから注目を浴びています。しかし、購入方法は「入札」という形をとり、独特な点もあります。ここでは競売物件を手に入れるために必要な書類について解説していきます。
競売物件とは
競売物件は、所有者の債務不履行によってローンを支払えなくなったために、金融機関など債権者から競売に進められるものがほとんどです。債権者からの申し立てにもとづき裁判所が競売の公告を出し、一定の期間で入札が行われます。一般の中古物件よりも格安で扱われることが多いことが特徴です。入札で最高価格を提示した入札者が購入の権利を得ることになりますが、これを「落札」と言います。
つまり競売物件とは売却方法の違いにすぎず、物件そのものは基本的に一般の中古住宅と変わりません。
入札に必要な書類
入札に必要な書類は、資格証明書、入札書、入札用内封筒、振込依頼書(兼入金伝票)、入札保証金振込証明書用紙になります。ひとつひとつ見ていきましょう。
資格証明書
個人であれば住民票、法人であれば商業登記簿謄本等が必要になります。
入札書
入札書は、注意書をよく読んで、インクもしくはボールペンで正確に記入してください。
入札価額は、公告書に記載してある買受可能価額を上回っていなければなりません。入札価額を書き損じたときは、新しい入札書を手に入れて書き替えてください。新規に入札書を手に入れる時間的猶予がないときは、価額を訂正したあと必ず訂正印を押すようにします。入札価額を訂正したのにもかかわらず、訂正印がないもの、または入札価額を鉛筆で記載してしまったものは無効となるので注意が必要です。
入札用内封筒
封筒内に入札書を入れて封をします。封を忘れたものは無効となるので注意しましょう。
入札書を封入した封筒の表に、「開札期日」と「事件番号」および「物件番号」を記入しましょう。これらの記入がないと、入札が無効になることがありますから、ご注意ください。
振込依頼書(兼入金伝票)
入札保証金を銀行の窓口にて指定の口座に振り込みます。1枚目は収納金融機関、2枚目が裁判書提出用、3枚目が依頼人保管用となっています。裁判所提出用と、依頼人保管用を振り込みと引換えにもらいます。
入札保証金振込証明書用紙
保証金の振り込みを済ませたあとに「入札保証金振込証明書」を添付し、割り印を押します。
暴力団員等に該当しない旨の陳述書
民事執行法改正が2020年の4月より実施されたので「暴力団員および暴力団員の関係者」でないことの証明書の添付が必要であり、場合によっては裁判所が警察に指示して調査を受けることになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。競売物件の入札に必要な書類について見てきました。競売物件は格安で手に入れることができることから、注目を浴びていますが、その入手方法には専門性も高いと言えます。不安に思った方は競売に強い不動産会社に相談してみるといいでしょう。
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