債務整理

住宅ローンの返済中に連帯保証人が死亡してしまったらどうなるのか

連帯保証人の責任は大変重いもので、債務者がローンの返済不能となったとき、債務者に代わって借入金を返済する責任を有します。このような責任を持った連帯保証人が死亡してしまったら債務者の立場はどうなってしまうのでしょうか。

LP_banner_02

■ 連帯保証人の死亡による法的な扱い

実は連帯保証人の地位は相続の対象となることが、最高裁判所の判例として出ています。したがって連帯保証人が死亡してしまったら、その相続人が連帯保証人の立場も相続することとなります。複数相続人が存在すれば原則的には法定相続分に応じた債務を相続することとなりますが、債権者の承諾があれば特定の相続人のみに連帯保証人の立場を相続させることも可能です。 しかし、相続人が相続放棄をした場合には、この限りではありません。相続放棄とは相続の開始があったことを知ってから3カ月以内に相続を放棄する旨の手続きを行うことで成立します。これによって相続から外れることになりますので、連帯保証人の立場を引き継ぐ必要もなくなります。

■ 全員が相続放棄を行ったらどうなるのか

では、相続人全員が相続放棄を行ったらどうなってしまうのでしょうか。保証人の立場を引き継ぐものが居なくなってしまうため、住宅ローンの契約条項に連帯保証人を置く規定があれば、契約違反の状態となってしまいます。債権者である金融機関などと相談をして、まずは連帯保証人となってくれる人を探すことになるかとは思いますが、そうそうなって貰えるものではありません。そこで、資金に余裕のある債務者であれば保証会社を利用する方法があります。保証会社に保証料を支払うことで信用保証を行ってくれ、連帯保証人と同じ役目をしてくれます。ただし、借入額が高額であればそれに対応して保証料も高額となるケースが多くいために負担は大きくなります。また、保証会社を使うとしても審査に通らなければいけません。

■ 結局、連帯保証人が見つからなかったらどうなるのか

色々と手を尽くした結果、連帯保証人が見つからない場合には契約条項に反するとして期限の利益を失い、債権者に一括返済をしなければならなくなってしまうのでしょうか。債権者の姿勢にも依るところなので確かなことは言えませんが、まずは相談をすることではないでしょうか。債権者によっては、これまでの返済状況や所有資産、年収などを総合的に勘案して何らかの解決策を提示してくれる可能性はあります。しかし、これまでの返済状況が思わしくない場合には一括返済を請求してくる可能性もあります。その場合には住宅ローンの担保物件である自宅の売却も視野に入れて返済計画を立てなければなりません。このとき債務額が売却額よりも大きい場合に、競売を避けるのであれば、任意売却という手段を検討することになります。任意売却を検討する場合には、債権者の承諾が必要となるほか法的な手続きの知識も必要となりますので、任意売却に多く携わっている経験豊富な不動産会社とも相談することをお勧めします。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 督促状の納期限とペナルティについて
  2. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  3. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  4. 実は厳しい税金滞納への対応
  5. 不動産売却における委任状取り扱い説明書

関連記事

  1. 債務整理

    住宅ローンの返済中に連帯債務者の持分が売却対象となったら

    自宅を夫婦や親子、兄弟などで出し合い、共有するケースというのは特段珍し…

  2. 債務整理

    借金返済の催促を無視するなら債務整理がお勧め

    借金を抱えてしまって返済が出来なくなってしまうと、精神的に追い込まれて…

  3. 債務整理

    知っておきたい! 競売物件の基準価格とは

    住宅ローンなどの滞納により手放すことになった物件は、その後競売にかけら…

  4. 債務整理

    不動産競売が初めての方必見!! 入札を代理してもらう方法

    不動産競売に個人で参加するにはリスクのあることです。以前の持ち主に立ち…

  5. 債務整理

    債務整理における委任状の取り扱いについて

    弁護士に債務整理を依頼する場合、債務者は弁護士との間に委任契約を締結し…

  6. 債務整理

    競売の評価人の役割とは何をするのか

    競売に関連する3点セットで、競売の物件情報を知る事になるのですが、その…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 不動産基礎知識

    抵当権の謎に迫る、不動産競売のあるある
  2. 不動産基礎知識

    不動産競売の事件番号「ケ」はどんな物件なのか
  3. 不動産基礎知識

    住宅ローン返済中のマイホームを賃貸できる?
  4. 債務整理

    家賃を滞納した借主が債務整理を行った場合の対応
  5. 任意売却

    不動産売却における委任状取り扱い説明書
PAGE TOP