日本人に限らず、自分の住む家に対する想い入れは強いものです。その家が賃貸ではなく、自分で購入したものであれば、その想いは一段と強くなるのも当然ではないでしょうか。もし、そんな想い入れのある家を競売で手放さなければいけないとなったら、所有者の家に対する想いは売却価格に反映できるものなのでしょうか。
住んでいた家を手放さなければいけない時
家族と一緒に住んでいた家を手放さなければいけなくなる理由は人それぞれだと思います。住んでいた家が競売に掛けられてしまう最も多い理由は、住宅ローンの返済が出来なくなってしまったことによるものだとは思いますが、返済できなくなった理由まで考えると更に色々なことがあるのでしょう。
家には家族との思い出も詰まっていることでしょうし、それが競売に至るような事情で手放すことに忸怩たる思いを抱いている方も多いでしょう。そのような気持ちの面だけでなく、設備や庭やら所有者として拘って、費用もかけた部分というところもあることでしょう。
せめて、この拘りの部分を理解していただける人に購入して貰えればと考えることもあるかもしれませんが、競売ではなかなか難しい話です。
競売の価格の決まり方
競売の価格は、期間入札によって決まります。最も高い金額で入札をした人が落札することになりますが、物件には売却基準価額があり、入札はこの売却基準価額の80%相当額の買受可能価額を上回った金額で行わなければいけません。この売却基準価額がひとつの目安となる価額ですが、これは裁判所から選任を受けた評価人が査定した評価額です。
家が競売になったときも執行官と一緒に評価人が家にやってきて家の価額の査定作業を行います。この査定において家の所有者が家への想い入れをどれだけ反映して欲しいと要請をしても、評価人は参考として話しを聞くかもしれませんが、それを評価に反映するかどうかは全く別の話となります。評価人は競売市場における家の経済価値を査定するのであって、所有者の想いを査定することはしないからです。
家に対する想いを酌んでもらうには
競売では所有者の家に対する想いを酌んでもらうことは難しい話ですが、任意売却であれば可能性は大変高まります。任意売却であれば、購入希望者に直接家への想いを説明することができ、こだわった設備などをアピールすることができます。
競売だと入札のため誰が自分の家を落札するのか分かりませんが、任意売却であれば購入希望者と条件についても交渉することが可能ですから、競売には無いメリットが色々とあります。もし、家に対する想いを少しでも酌んでもらいと思うのであれば、是非、任意売却をご検討ください。