競売においては、その配分に応じて債権者にお金を支払うことを配当といいますが、仮に他の人が自分の持っている債権の競売を始めていたら、自分も債権を持っていることを主張することができるのでしょうか。また、主張しなかった場合はどうなるのでしょう。
配当要求
競売手続きでは、不動産が競売され、売却代金が裁判所に納付されると、その代金を債権者に配当します。その際、債権者が「私にも配当してください」と裁判所に申し出ることができ、その手続きを「配当要求」といいます。
しかし、誰でもこの手続きに参加することができるわけではなく、配当要求できる債権者は限定されています。配当要求をすることができる債権者は
◎執行力のある債権名義の正本を有する債権者
◎差押えの登記後に登記をした仮差押え債権者
◎一般の先取特権を有することを証明した債権者
となります。
配当要求は、他の債権者が申し立てた競売手続きに参加をして、その手続き上で「配当を受けたい」と要求するわけで、その申し立てた競売が取り下げ、または取り消しによって終了した場合は、その効力も失われます。
配当要求の順位
裁判所が、法律で規定されている順位で、競売の申し立てをおこなった債権者やそのほかの債権者に売却代金を配りますが、基本的に以下のように定められています。
◎抵当権を有する債権者と、債務名義しか有していない債権者では、抵当権を有する債権者が優先されます。
◎抵当権を有する債権者同士の場合、抵当権設定登記がされた日の早い債権者が優先されます。
◎債務名義しか有していない債権者同士の場合、平等に配当されます。
◎マンション管理費の滞納での配当要求は、先取特権に基づきおこなわれ、債務者の財産から優先的に受ける権利があります。しかし、先取特権は抵当権より優先順位は低いです。
配当要求はどうやって知るのか
競売が申し立てられた裁判所は、競売申立債権者以外の一般債権者に対して、「当該物件に債権があれば申し出るよう」配当要求の終期を広く告知することができることを、上記のとおり確認できたことでしょう。
配当要求終期日の開示期間はおよそ1ヶ月ですが、その内容をどのように知るかというと、「配当要求の終期」が決まりましたという内容の広告が、裁判所に掲示されることになります。
また、裁判所は、競売による売却で、抵当権などの担保の権利が消滅することを、他の債権者にも届出をおこなうことを促します。
常、配当要求終期の広告がされた後、3~6ヶ月後に期間入札の広告がされるようです。
まとめ
競売手続きの配当要求のお知らせが来たら、配当要求をしましょう。配当要求をおこなわなければ、仮に剰余が生じても配当を受けることができません。そればかりか、届出をしなかったために生じた損害等は、その債権者に責任があることになるので、通常は届出をしておくべきでしょう。
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