債務整理

競売の供託金は何を示しているのか?

競売に参加し入札をするには、はじめに「供託金」を納める必要があります。その「供託金」はどのようなものなのでしょうか。また、どのように使われるのかについてもみていきましょう。

競売の供託金とは

競売の「供託金」は、競売に参加する際の「保証金」として支払うお金のことをいいます。
また、競売では「買受申出保証金」または「入札保証金」と呼ばれることもあります。

いつ支払うの?

競売の入札に参加するときに支払います。入札期間内に、所轄の裁判所に支払う必要があります。

〇「期間入札」
一定の期間を設けられています。裁判所によって多少の違いはありますが、1週間ほどになります。その際、入札者の情報や金額などはわからないようになっています。また、入札期間を過ぎての入札は無効となるのでご注意ください。

〇「期日入札」
この場合は、裁判所によって日時、会場などが指定され直接入札をします。また、入札が終了するとその日のうちに開札まで行い、「最高価買受人」が決まります。

支払い方法

広告掲示日から、裁判所において「公告書」、「物件明細書」、「現況調査書」、「評価書」などが置いてありますので、「買受可能価額」と「買受申出保証金」を確認してください。また、裁判所で入札に必要な書類(入札書、入札保証金振込証明書、依頼書)を受取って下さい。

「供託金」(買受申出保証金)は、「売却基準価額」の20%となっています。1000万円の物件であれば、200万円になります。

「供託金」の支払方法は、2つあります。まず、裁判所に指定された銀行口座に振り込む形で支払をします。振込の際は、裁判所専用の振込依頼書を提出し、金融機関から振込を行います。振込後は、「入札保証金振込証明書」をもらいます。

もう1つは、銀行や損害保険会社と「支払保証委託契約」を結び、その証明書を提出します。

支払い後

支払いが終わったら、裁判所で受け取った「入札書」と下記の書類を提出します。その際、
「入札書」とその他の書類は、別の封筒に入れなければ無効となります。(入札書用うち封筒に入れ必ず封をする)

提出方法は、直接裁判所に持参するか郵送または、(信書便)で送付します。

〇個人の場合、「買受申人」の「住民票」
〇法人の場合、「代表者事項証明」か「登記事項証明」
〇代理人の場合、「委任状」
〇共同の場合、「共同入札許可書」

などがあり、必要書類は個々に違うので確認のうえ準備して下さい。

開札後

開札後、「最高価買受人」(落札人)の「供託金」は、落札物件の代金(内金)に充てられる事になるので返還はされません。「供託金」(内金)を差引いた、「落札金」の残りのお金を支払えない場合は、ペナルティとして「供託金」を没収されます。落札者以外の人は、以下の方法で「供託金」を返還されます。

〇「入札保証金振込証明書」を提出した場合(銀行などの振込)は、開札以降に指定の口座に振込されます。

〇「支払保証委託契約締結証明書」を提出した場合(損害保険会社などと契約)は、開札後に申出をされた際に証明書が返還されます。

〇「最高価買受人」(落札人)の次順(2番目)の人は、落札人が残金を支払ったあとに返還となります。

まとめ

競売における「供託金」は、保障としてのお金ということで支払われるという事がわかります。落札人以外は、基本的に返還されることになりますが、落札人は残金を支払わなければ
返還されません。しかし、落札後に落札金の他にリフォーム代や占有者との交渉などで、
お金がかかる場合に、「供託金」をあきらめる事を検討しなければならない事もあるようです。

不動産のことに関して何か疑問やお困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。

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