債務整理

競売の物件目録はなぜ必要なのか

一般的に、不動産の売却をする場合には現地へ行って、物件の状況や情報を得て判断します。しかし、基本的に競売においては内覧ができません。そこで、その情報を得る手段として使用されるのが、「物件目録」となります。対象となる不動産の情報が書面に書かれており、それを元に判断することになります。

「3点セット」とは

競売を申立てられると、現況調査の終了後 3か月~4か月後に「期間入札の公告」がなされそれと同時に、「現況調査報告書」・「評価書」・「物件証明書」が公開されます。一般的にこの3つの資料は、「3点セット」とよばれており、その中の一つの資料として添付されているのが「物件目録」です。競売入札者のための物件に関する資料となっており、この資料は誰でも閲覧可能で裁判所かインターネットでみることができます。

「物件目録」

「物件目録」の内容でわかることは主に対象となる不動産が書いてあり、その物件が土地と建物であるのか、建物だけなのかといったことが分かります。その他に、その物件の「所有権」が誰のものであるか全部なのか、「持分」だけなのかということも記載されています。

「持分」とは、土地の場合にその土地が共有地で、「所有権」を複数の人がもっていることで、その土地の全体に対する「所有権」の割合のことです。この「持分」で気をつけなければならないのは、土地を購入しても自分だけの物ではなく、あくまで「共有の財産」になるので、自分の分であっても勝手に売却したり建物を建てることができません。

他の共有者と協議をしなければならないのです。また、マンションなどの場合は、マンション1棟の規模や専有部分、専有面積、敷地などの「持分割合」などが記載されています。

「注意点」

「物件目録」の注意点

①「物件目録」とは、あくまで売却対象となっている物件の目録なので、「借地権付建物」などの敷地の情報は記載されていないということです。

②「物件目録」に書かれている面積や地目などは「公募上」のものであり、「現況」と言われる実際の状態とは違う情報が書かれている場合があります。この場合、ほとんどがカッコ書きで現況が書かれていることが多いので、読み間違えないように注意しましょう。

まとめ

「3点セット」の貼付資料として「物件目録」がありますが、そもそも「現況調査報告書」・「評価書」・「物件証明書」が作成され、閲覧できるようになるまでに4か月以上が経っていることになります。可能であれば、現地を調査して新しい情報を入手しましょう。「3点セット」を理解せずに、入札をすることはかなりのリスクを伴います。専門の業者や不動産に相談することをお勧め致します。
競売に関することや不動産投資のことなら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

ピックアップ記事

  1. 競売における売却基準価額とは何か
  2. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  3. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  4. 後妻の子の相続における取り扱い
  5. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?

関連記事

  1. 債務整理

    競売における最低落札価格と物件

    最近では、不動産取引をしている関係者だけではなく、一般の方でも入札に参…

  2. 債務整理

    競売になった賃貸物件の住人の権利は?

    賃貸アパートやマンションの競売が行われた場合には、何も知らずに住んでい…

  3. 債務整理

    競売における「預託金」とは何か?「預託金」と「保証金」の違いは?

    「預託金」とは、敷金や保証金といったアパートなどの賃貸借契約の際に、借…

  4. 債務整理

    家賃を滞納した借主が債務整理を行った場合の対応

    賃貸管理を行う上で「家賃を滞納する」事は、経営上は、頭をかかえる問題で…

  5. 債務整理

    競売物件に人が住んでいる ~どうしよう!落札したのに住めない?~

    競売物件を購入し、いざ住もうとしたら何故か旧居住者がまだいるということ…

  6. 債務整理

    土地だけの競売による「法定地上権」に対する注意点

    一般的な不動産を売却する場合や競売による売却でも、土地と建物が別々に売…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 不動産基礎知識

    住宅ローンを借りるときに設定される抵当権とは?
  2. 賃貸オーナー様

    アパートをオーナー管理したいけど難しい?
  3. 任意売却

    競売における不動産取得税の軽減措置はあるの?
  4. 債務整理

    任意売却する場合の委任状の注意点について
  5. 相続

    未収年金の相続での取り扱いについて
PAGE TOP