競売にかけられた不動産には、ほとんどの場合、債権者と債務者の関係により成り立っています。債権者が競売にいたるまでの行動や権利について、理解する事が競売を知る上でも参考になると思うのです。
競売の種類と債権者
【1.強制競売は全体の5分の1】
裁判を行って判決が出た場合に、債務者である不動産の持ち主は借金やローンの支払いに応じる事になっているのですが、それでも支払いに応じなければ債務名義(さいむめいぎ)を得る事で債権者が強制執行の手続きを行う事になります。
【2.担保権の実行による競売がほとんどです】
多くの不動産には、住宅ローンによる購入を行なっています。金融機関はローンの支払いが滞る場合に備えて、不動産に対して担保権の設定を行っています。これにより、ローンの回収のリスクを軽減する事ができるのです。金融機関や保証会社が債権者となって、ローンの回収に責任を持っているのです。
債権者は出来る限りお金を回収したい
不動産の持ち主である債務者に対して、督促状や勧告状を出したにも関わらず、相手方には支払う能力がない場合や支払う事を拒否する状態が続いた場合に、任意売却や競売による手続きになる次第です。
任意売却の方が高く売れる可能性があるのにも関わらず、競売による取引が多い事は債務者が売却にふみきれない事にあるのです。結局、最終的には競売による配当金を回収する方が少しでも確実に回収できる判断をした結果によるものです。
競売の申立てから準備期間に入る
競売の申立てをするのにも、予納金と言って競売の準備に必要な経費に充てられます。その内訳は以下の通りです。
1.不動産鑑定手数料
2.執行官への手数料
3.売却公告の手数料
他にも
1.申立印紙
2.郵便切手
3.登録免許税(債権額の1000分の4)
4.予納金(50万円~100万円くらいです。)
以上の支払いなどは、競売を申請した債権者が準備の為に必要な資金として、予納金で裁判所が支払う事になります。
売却による債権の回収
競売が始まると、入札によって売却基準価額の8割以上の価額(買受可能価額)で落札者が決定し売却代金が支払われると、その代金を抵当権が複数いた場合には、優先順位によって配当金として債権者に分配されることになります。
売値としては、市況価格の8割程度の値段で取引されるので、単独の債権者であっても、全額を回収する事は難しくなっているのです。
債権者が注意すべき事
該当する不動産については、売却価格以上の抵当権が設定されていた場合、抵当権を持っていない他の債権者には差し押さえは無意味になってしまうということです。優先する抵当権者に代金が支払われる為に、必ずしも申請者が配当金を得る事は確定していないのです。その場合に、余剰金が申請者に配当されないと判断されれば申請が無効になる場合がある事です。
まとめ
競売における債権者は、申請する事は可能ですが他の債権者に対する情報が把握できていないと無駄な行為になる場合もあります。競売が実行されるまでに、約1年の時間を要します。売る側も買う側も物件の情報を確実に把握しておくが重要です。
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