不動産基礎知識

住宅ローンにはプレッシャーがあって当然

マイホームの購入に際して住宅ローンを利用されるという方が多いことだと思います。住宅ローンはマイカーローンや不動産投資ローンなどの金利と比較して低い金利で借り入れることが出来ますが、20年や30年というように返済期間が長期になることが一般的であり、返済を続けていくことにプレッシャーを感じ方も少ないことでしょう。しかし、このプレッシャーが金利を低くしているひとつの理由なのです。

■住宅ローンの金利

マイホーム購入の強い味方である住宅ローンは、メガバンクを始め信託銀行、信用金庫など多くの民間金融機関で独自の商品が取り扱われているほか、フラット35のように住宅金融支援機構が取り扱い先の金融機関と共同で提供する住宅ローン商品などもあります。これらは金融機関によって条件や特徴に違いはあるものの、適用される金利は、他の目的で使用されるローンに比べて低めに設定されています。

住宅ローンの金利が低めに設定されるのは融資を行う金融機関にとってもメリットがあるからなのですが、借手の住宅ローンに対するプレッシャーも金利を低くする要因のひとつになっています。

■住宅ローンに対するプレッシャー

金融機関が住宅ローンの金利を低く抑えてでも融資を行う理由には、融資金の用途が明確であること、団体信用生命保険への加入を前提とすることで借手が万が一亡くなった場合には保険金で残債を回収できることなどがあります。しかし、何よりもローンの返済が出来なくなった場合には担保となったマイホームを失うことになるという借手のプレッシャーがあるためです。

住宅ローンの返済ができなくなると住宅ローンによる融資の際に担保となったマイホームは競売によって売却されることになります。マイホームを競売で売却してもローンの残債を全て回収することは難しいため、金融機関としては返済を続けてくれることが一番ありがたいのですが、このマイホームが売却されてしまい他人の物になるという事実が借手へのプレッシャーとなり返済のモチベーションとプライオリティを上げることになるのです。このため住宅ローンは返済率が高く、貸し倒れ率も低いため金利を低くして融資することが可能となるのです。

■返済を続けていくために

住宅ローンの返済へのプレッシャーが金利を低める要因となっていることは、殆どの方が長期に渡る返済についてのプレッシャーを感じているという事だと言えます。大切なのはプレッシャーが高くなり、生活に不安を感じるような返済計画を立てない事です。無理のない返済計画でマイホームと家族の笑顔を守る事が重要です。

ピックアップ記事

  1. 督促状の納期限とペナルティについて
  2. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  3. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  4. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  5. 競売における売却基準価額とは何か

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    住宅ローンの更新時において検討しておきたいこと

    住宅ローンの借入にはいくつかのプランがありますが、固定金利特約型のよう…

  2. 不動産基礎知識

    今後の住宅ローンの見通しについて

    2016年1月に導入が決定されたマイナス金利ですが、これにより住宅ロー…

  3. 不動産基礎知識

    不動産競売の予備知識 抵当権とは?

    債務者から土地や建物を差し押さえ競売にかけるという不動産競売の仕組み。…

  4. 不動産基礎知識

    競売における続行決定申請とは何か

    競売の申立てが行われた後に競売続行決定という通知が出されることがありま…

  5. 不動産基礎知識

    競売物件の買受には落札価格以外にもお金はかかる?

    裁判所で行われる不動産競売で入札を行った結果、通常一番高い価格が落札価…

  6. 不動産基礎知識

    不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク

    不動産投資によって得られる所得は不労所得だといわれ、老後の生活に備える…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 不動産基礎知識

    競売の期間入札における入札に際する委任状の取扱い
  2. 相続

    住宅ローンと登記名義の不一致で夫婦間でも贈与税が発生
  3. 債務整理

    競売物件の倉庫、その中の残置物は誰の所有になるか?
  4. 離婚と不動産

    離婚し贈与した家が競売にかけられた時の方法
  5. 債務整理

    競売で買受人になった際の不動産取得税
PAGE TOP