不動産基礎知識

競売と公売における共通点と相違点

競売と公売どちらも強制的に財産を売却するシステムですが、どのような違いがあるのでしょうか。また、売却に何らかの影響を与えるのでしょうか。

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競売と公売の相違点
競売と公売はどちらも強制売却が行われ、売却価格は一般的に市場価格の7~8割程度といわれますが、次のような違いがあります。
競売は民間の債権回収制度です。例えば住宅ローンの返済に滞納があれば金融機関が裁判所に競売の申立てを行います。公売は所得税、贈与税、相続税などの国税のほか、固定資産税や住民税などの地方税の滞納により官公庁などが差し押さえた不動産などを売却することによって回収を図るための制度です。
競売では物件情報として物件明細書などのいわゆる3点セットが提供されますが、公売ではそこまで詳細な資料の提示がないため占有者など自分で調べなければいけません。

何よりも大きな違いは物件の明け渡しに対するスタンスになります。競売は裁判所が所有権の移転登記を行い、占有者の退去に対して条件に該当していれば引渡命令を得ることが容易であり、強制執行などの手続きもスムーズです。一方、公売では占有者の退去の交渉が上手くまとまらない場合には、裁判で勝訴することによって強制執行の手続きを進めなければならず、競売以上に手間と費用が発生することとなります。
競売と公売では、瑕疵担保責任の追及ができない点、入札などにあたり一定の保証金を必要とするなど共通点も多いですが、買い手にとっては公売のほうがリスクが高いといえそうです。

競売と公売が任売に与える影響
任意売却は住宅ローンなどを滞納している債務者が、競売によらず債務者の任意で不動産会社などの仲介を通じ一般市場で売却を行うことをいいます。この任意売却によって債権者は競売よりも高額の返済を受けられる可能性が高まるため競売の申立てを行った後でも競売の取り下げを行うことがあります。

一方、税金の滞納による公売のために差押えが行われた場合、この差押えを解除しなければ任意売却を行うことができません。そして、この差押えを解除するためには基本的には滞納した税金を納めるしかありません。

滞納した税金の取扱い
住宅ローンなどによる債務は、自己破産を行うことで支払義務が無くなりますが、滞納した税金は自己破産を行っても支払義務が無くなることはありません。更に公売のために差押えを行った場合には、滞納している税金が納付されない限り差押えを解除することは基本的にありません。

以上から、税金の滞納による差押えがあると任意売却を行うことが大変難しくなってしまい債務返済の方法のひとつを失ってしまうことになりますので、まずは税金の納付を優先するほうが得策かもしれません。

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