不動産基礎知識

競売における申立とその後の流れはどの様になるのか?

競売の申立からその後どの様な流れを踏んで、物件の引き渡し及び退去に至るのかを見てみたいと思います。特に申立において、求められる書類の数々や関わる諸経費及び注意すべき点などについてご紹介しましょう。

競売における申立後の流れ

ローンの返済が出来ない債務者の財産を差し押さえて、売却して得た代金から債権を回収するのが競売の手法です。ローン滞納から立ち退きまでの流れをご紹介します。

①ローン滞納
②督促状と督促状の通知
③期限の利益喪失
④代位弁済
⑤競売の申立
⑥裁判所執行官の「対象物件の訪問調査」
⑦期間入札の開始
⑧売却決定と立ち退き

申立に要する書類と諸費用

不動産物件の競売の申立に必要な書類の数々を紹介しましょう。

〇公課証明書(評価証明書は不可)
〇債権者が法人である場合登記事項証明書が必要で、個人なら住民票でそれぞれ申立より1 カ月以内のものが必要
〇土地所有者の法人は登記事項証明書で、個人は住民票が必要
〇不動産登記簿謄本(申立より1カ月以内のもの)
競売するのが建物のみでも敷地のものが必要で、土地だけでも建物があれば建物のものも必要
〇差押えの権利を証明できる公的な文書  
〇【強制競売の場合】執行力を持つ債務名義正本(裁判所からの判決書や裁判所が作成した和解調書、公正証書・調停調書)及び送達証明書
【担保不動産競売の場合】競売する不動産の不動産登記事項証明書・抵当証券など
〇意見書

その他書類

〇物件案内図(住宅地図)
〇建物図面や各階平面図
〇公図や建物所在図及び住宅図
〇請求債権目録(担保不動産競売申立の場合)、または請求債権目録(強制競売申立の場 合)
〇担保権・被担保債権
〇参考事項票

次に申立に要する費用

〇裁判所の多くが16,000円としていますが、不要や92円切手1枚のところもあります。
〇申立手数料、担保権あるいは債務名義1個に付き4,000円。
〇裁判所により違いますが、予納金50万円から100万円程度です。予納金は売却後に原則として返還されることになっています。
〇登録免許税、請求額の4/1,000(例:3,000万円の場合ならば12万円)

競売申立のときの注意点

【1.予納金は返還されるとは限らない】
競売では買受人が出ないなどの理由で、売却できないこともあります。この場合、使った経費が差し引かれ、予納金返還は納付した額の半分以下になることもあります。

【2.任意売却により高値で売却出来ることもある】
競売による売却物件には以下のようなデメリットも存在します。

〇購入希望者が事前に建物の中を見ることが出来ない。
〇入札方法が複雑で、支払いは現金で行われる。
〇競売の公告を一般の不動産購入希望者が見ることが少ない。

そのため場合によっては、任意売却などの方法で競売より高値で売却出来て、より多くの債権を回収できることもあります。

【3.抵当権が売却価格以上に設けられている】
物件にすでに抵当権が設定されており、その金額が売却価格以上なら競売の意味がありません。抵当権者に優先順位があるので、無剰余である場合があり取り消しとなります。

まとめ

以上、競売においての申立時に必要な書類の数々、また申立に関わる諸経費と申立時の注意点についてご紹介しました。競売は手続きなどが非常に煩雑なことが、ご理解いただけたと思います。

競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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