不動産基礎知識

不動産競売の入札制限について

裁判所で行われる不動産競売で買受の申し出は入札によって行われます。入札に参加できなければ競売不動産を手に入れることはできないということです。
この競売不動産の入札には一定の入札制限がありますが、どのような人が制限の対象となるのでしょうか。

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利害関係者の入札は認められる?
競売は原則として誰でも入札に参加できます。しかし、競売不動産の利害関係者についてはどうでしょうか。利害関係者は、債務者、債権者、所有者をはじめ連帯保証人、賃借人など相当は範囲で存在しますが、このなかで入札に参加できないのは債務者だけとなります。連帯債務者でも対象となっている競売物件の共有持分を担保提供していなければ参加が可能です。
入札に参加するためには入札保証金が必要となるほか、落札してしまったら落札金額から入札保証金を控除したお金を払わなければいけません。債権者からしてみれば、そんなお金があったらローンなどの滞納金を支払ってくださいということになりますから当然のことかもしれません。
したがって競売物件をどうしても買い戻したいという債務者は、親戚などにお願いして入札に参加してもらうということがあったりします。

その他入札の制限
民事執行法第65条に、債務者以外にも執行官が買受の申し出をさせないことが出来る者を挙げています。競売による売却の適正な実施を妨げる行為をし、又はその行為をさせた者、並びにこれらに該当するものと認定されて、売却不許可の決定の確定の日から2年を経過したい者の入札を執行官は制限することが出来ます。
また、執行官は同様に「民事執行の手続における売却に関し刑法」「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」又は「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」の一定の条項の規定により刑に処せられ、その裁判の確定の日から2年を経過しない者の入札への参加を制限することが出来ます。

入札できても落札できるとは限らない
競売になってしまった場合に、親や子供、知人などに入札に参加をしてもらうことで何とかマイホームに住み続けたいと考える方もいらっしゃいますが、競売では一定の者に対する制限はありますが、基本的には誰でも入札が可能な訳ですから必ず親族等が落札できるとは限りません。
しかし、任意売却であれば競売のような不確実性を排除した状況下で親子間売買を行える可能性があります。債権者が承諾をすれば、売却の相手先は特に問題とはなりません。
しかし、親子間売買を成立させるための債権者との交渉はなかなか難しく専門的な知識を要します。そのような時には任意売却の専門家である専門業者に相談をしてみてください。親子間売買が難しければ、他の方法を提案してくれるケースもあります。諦めず最善の方法を探して頑張りましょう。

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