慣れ親しんだ家のローン返済が払えなくなったとき、金融機関又は保証会社は競売にかけようと裁判所に申し立てをします。その時にどのようにするか、そこが問題です。今回競売にかけられた物件に様々な対処が考えられます。また、対処後にローンの残金が出た場合について解説します。
競売の流れ
ローン返済が滞った状態が続くと、金融機関などに対して保証会社がローンの残金を立て替え支払います。このときから債務者は、銀行ではなく保証会社に残債を返済します。保証会社になっても返済の滞納状態が継続していると、保証会社は物件を担保に完済を求めて裁判所に競売をする旨を申し出ます。
競売では、物件の市場価格の5~7割程度と安く売買されます。ですから、物件が破格の値で売れた場合は別として、多くの場合は返済の残金が多額に出る可能性が大きいです。そこで、ローン残金が出たときどうすればいいのでしょうか。
時効の援用
残金がある場合、その返済義務の時効がありますが、金融機関により期間が違っています。融資支援機構・労金・信金・農協などは10年です。これに対して銀行やノンバンク系は5年に設定されています。返済の時効が知りたい方は、事前に契約中の債権先がどちらに該当するのか確認しておきましょう。
時効の援用とは、返済から時効までの期間が経過していて、なお時効期間中に債権者から裁判を起こされない場合に行える手続きです。この時効の援用を行うことで返済を無効化して返済義務を失くせます。
手続きには、内容証明郵便を活用して時効援用通知を債権者へ送付するようにします。援用を行った日時は、返済義務を終わらせるのに重要なものです。債権者との問題が起こる可能性もあるので、証明ができる通知書を用いた手続きをおすすめします。
ただし、この手続きを行って、様々な理由で時効までの期間更新が行われることや、完成期間を猶予されることもあるので注意しましょう。
任意売却という方法
金融機関に代わって保証会社が代位弁済した後、競売申し立てが行われる前であれば、任意売却の申し入れをすることが可能です。申し入れが認められれば任意売却を行う期間を設けて頂くことができます。任意売却を行う期間は、代位弁済後3カ月~6カ月位が目途です。
任意売却した後に残金が出た場合、どういう対処法があるでしょう。これは債権者によって異なります。
〇信用保証協会・住宅金融支援機構などの場合、債権譲渡はせずに返済可能な額を支払うことになります。
〇一般金融機関の場合、残債は不良債権としてサービサーに正常な債権価値より安い価格で譲渡されることが普通です。残債が全額戻らなくても利益は確保されているので、減額の交渉に応じて頂けることがあります。
任意売却は競売に比べて一般不動産市場で売買されるため、高く買い取られる可能性があるので、残債を減らせることも不可能ではありません。
まとめ
競売では情報が一般公開されてしまうのに対して、任意売却はプライバシーが保護できます。また競売と比較すると売却価格が高額になり、相談によっては引っ越し費用を負担してもらえるメリットもあります。住宅ローンを滞納してお困りの際には、金融機関や任意売却ができる専門の会社に早めに相談をしましょう。
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