賃貸マンションや賃貸アパートなどを他人に賃貸することで大家は家賃を得ますが、賃貸してしまえば大家は何もしなくても良いという訳ではありません。
大家は賃貸物件の賃貸管理を行って賃借人との良好な関係の維持に努めなければなりません。
大家の責務
賃貸借契約を締結することによって賃借人は大家に対して定められた時期に家賃を支払う義務を負うことになり、その一方で大家は賃借人に対して賃貸借契約の目的物を使用収益させる義務を負うことになります。
使用収益させるということは単に目的物、すなわちマンションやアパートを使用させるというだけでなく、賃借人が生活を送るのに支障がない状態で提供をするという義務を負うのです。したがってマンションやアパートの防犯対策、共用部分の照明などの管理、エアコン、トイレ、キッチンなどの備え付けの設備に故障などがあれば修繕を行うなど賃貸管理義務があります。
大家による賃貸管理業務
賃貸マンションや賃貸アパートの大家は次のような賃貸管理を行います。
賃料管理
賃貸借契約によって定められた時期に月々の家賃が支払われているかどうかを確認しなければいけません。滞納などが発生している場合には催促を行い、滞納が続く場合には早目の対応が必要になります。
日常の建物管理
共用部分の清掃、照明器具の電球交換、破損個所の修理などのほか、内装、設備などについての破損、故障も使用収益に支障があれば修繕を行う必要があります。これらの破損、故障が賃借人の使用方法に過失がある場合などは修繕の義務を負わないケースがあります。
契約違反などへの対応
居宅として賃貸しているにも関わらず事務所や店舗として利用が行われている。契約した居住者と異なる人物が住んでいるなどの契約違反があれば対応を行います。
クレーム対応
騒音などの人的なトラブル、故障などの物的なトラブルなど賃借人又は周辺住人からのクレーム対応を行います。
大家か管理会社か
上記の賃貸管理業務は主なものの例示であり、他にも大家として対応すべき賃貸管理に関する事項はあるかと思います。
このような業務を大家自らが行うか、管理会社に委託するかは大家の賃貸経営に対する考え方によっても変わってきます。
当然、大家自らが賃貸管理を行うことで経費の削減が可能となりますが、一方で賃借人と大家との距離感が問題となることもあり、トラブルの対応などについて賃借人側が不満を抱くことが起こることもあります。
賃貸管理を管理会社に委託することで24時間体制での対応が可能になり、トラブル対応もスムーズになることから賃借人の満足度が高まり、物件の稼働率が上がるということもあります。
賃貸管理をどのように行うかは十分に検討する必要があるのです。