賃貸経営は投資用不動産を購入さえしてしまえば、後は家賃が自動的に入ってくるという様に思っていらっしゃる方は意外と多いのではないでしょうか。このような考え方でいると、うまい話に乗せられてしまって、大きな損失を出してしまうという事も十分にあり得ます。賃貸経営におけるトラブルを回避するにはどうしたら良いのでしょうか。
■賃貸経営は大変
まず、賃貸経営におけるトラブルを回避するためには、不動産投資は大変な手間が掛かるものだと認識する事が大切です。投資用不動産の賃貸経営による不動産所得は不労所得と言われている事から、楽に収入が得られると考えているといつしかトラブルの真只中にいるという事になりかねません。不動産投資は株式や貴金属への投資と異なり、運用期間中も入居者からのクレーム、要望への対応、入居者の募集、退去時の精算など様々な場面で大家としての対応や判断が求められます。このような入居者への対応を誤ってしまうと、些細な事も大きなトラブルに発展してしまう事も往々にしてあります。不動産投資にはそのような面がある事を十分に認識しておく事が重要なのです。
■サブリース問題
賃貸経営は上記のような入居者への対応のほかにも老朽化していく建物を修繕する必要があり、長期的には屋根の防水工事や外壁の塗装など大規模な修繕を行う必要もあります。このような賃貸経営における手間を省き、入居者とのトラブル対応や日常の維持管理を全て業者に任せて、オーナーは毎月決まった収入を得られるという事で人気となったのがサブリースと言われる賃貸形式です。サブリースとはサブリース会社がアパートなどの賃貸物件を一括で借上げして、オーナーは毎月一定のサブリース賃料を受け取るという賃貸方式の事を言います。サブリース30年保証などといった宣伝に興味を持たれたオーナーの方も多い事でしょう。
しかし、このサブリース自体が賃貸経営のトラブルになってしまった事例が数多く存在するのです。
サブリース契約におけるトラブルでは、サブリース賃料の減額を要請されたり、そもそもサブリース会社が倒産してしまったりという事例があります。アパートやマンションは経年によって必ず劣化していくもので、家賃も経年に応じて下がっていくのが一般的です。この事から高額のサブリース賃料を長期で払うというサブリース会社は無理が出てきます。このような賃貸経営のトラブルに巻き込まれないためには、契約条件をしっかりとチェックするほか、サブリース会社が信用に足る会社なのかどうかを入念に調べる必要があります。
■うまい話は要注意
不動産投資でうまい話があったら、まずは疑ってみる事は大切な事です。ちょっとした注意を払う事で回避できるトラブルは多いものです。不動産投資は高額になりますので、賃貸経営のトラブルが大きな損失に繋がってしまう事は珍しくありません。目先の利益にとらわれる事のない賃貸経営を心掛けましょう。