マンション購入の際に利用した住宅ローンの返済が出来なくなってしまった場合に競売を回避して任意売却を選択する人が増えていますが、任意売却にデメリットは無いのでしょうか?
拡大する任意売却
マンション購入の際に利用した住宅ローンの返済が出来なくなってしまうと、債権者は債権回収のため最終的に抵当権に基づき競売実行の申し立てを行います。
従来、債務者は競売の申立てを受けると諦めて、そのまま競売での売却を進めてしまう事が多かったのですが、近年はインターネットの普及によって情報を得やすくなった事もあり、任意売却によってマンションを売却しようとする方が増えてきました。
インターネットで任意売却の情報を調べると、競売は一般の売買市場と比較すると低廉な価格での売却になってしまう事、インターネットの競売サイトに売却情報が公開される事、任意売却であれば一般の売買市場で成立する価格と同じ水準で売却できる事、引越代が工面できる可能性がある事などが記載され、殊更に競売と比較して任意売却のメリットを強調しているものが目に入ります。任意売却にはデメリットは無いのでしょうか。
任意売却のデメリット
任意売却には競売よりも高い価額で売却が見込める、引越代を捻出できたり引き渡しの時期を交渉したりする事が出来るというメリットがありますが、デメリットもあります。
まず、債権者との交渉が必要である事です。競売であれば債務者は特段する事はなく、裁判所主導で売却が進んでいきますが、任意売却を行うためには交渉によって債権者の承諾を得なければいけません。また、購入希望者との売買交渉だけでなく、売却代金の承認、引越費用など項目ごとに債権者との交渉が必要です。
次に時間に制限があり、必ず売却できるとは限らない点もデメリットです。債権者としては債権を出来る限り早く、少しでも回収したいと考えていますので、競売の申立ても行っているケースも多くあります。したがって通常の売却と異なり短い期間で売買交渉をまとめる必要があるうえに、確実に売却できるという保証もありません。
マンションの売却となると昨今のマンションブームから売却がしやすいと言えますが、その分内覧などの問い合わせも多く購入希望者の対応に追われることもデメリットと言えるでしょう。
デメリットを抑える方法
交渉事も多く、時間も限られている事から、任意売却を個人の債務者が行う事は難しいといえます。上記のようなデメリットを抑えるためには、任意売却に詳しい不動産会社に売却を依頼する事が必要です。
任意売却に通じた会社であれば、交渉事などを上手くまとめてくれる可能性も高まります。
マンションの任意売却を選択する際には、任意売却に通じており実績も多く、マンションの売却にも強い不動産会社を選ぶ事が大変重要です。会社選びに失敗してしまうと、任意売却のメリットを享受できず、デメリットばかりとなってしまいます。