任意売却

任意売却において譲渡所得税が発生しないケース

任意売却や競売で購入金額よりも高い価額で売却できて譲渡益が発生した場合、当該譲渡益に対して譲渡所得税が課税されるのが原則です。
譲渡税を払えるだけの資力がなかったとしても課税は行われるのですが、任意売却や競売の場合で一定の要件を満たすと課税の対象とならない事があります。

マイホームの場合では
住宅ローンの返済が困難となった場合には任意売却や競売でマイホームを売却することになるケースが多いですが、マイホームを売却する場合には譲渡所得税が課税されないケースが多くあります。
これはマイホームの売却には任意売却や競売であっても、3000万円の特別控除が受けられるためです。
マイホームの売却による譲渡益が3000万円を上回らなければ、特別控除の適用によって課税対象となる所得が無くなるためです。
しかし、譲渡益が3000万円を超える場合や居住用財産であるマイホーム以外を売却した場合には譲渡益に譲渡所得税が課税されることになります。
しかし、任意売却や競売の場合には一定の要件を満たすと本来は課税対象となる譲渡益があっても課税の対象とならない特例があります。

譲渡所得税課税の例外
所得税法では、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第2条第10号に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものして政令で定める所得」には所得税を課さないと定めています。
強制換価手続きによる資産の譲渡には競売と任意売却が含まれますが、譲渡所得に対する課税の免除を受けるためには、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な状態であることが必要です。これは所有している現金や財産を全て売却したとしても借金の返済が出来ない状況であり、個人の信用力をもってしても返済できる見通しがない状態ということになります。
競売であれば、当該状態であることが認められれば譲渡所得は課税されないのですが、任意売却だと更に要件が必要になります。
債務の返済ができず既に競売の申し立てを受けていたり、保証会社による代位弁済が行われたりしているなど強制競売となることが避けられない状態にあり、これを回避するための任意売却であること、売買による代金全額を債務の返済に充当していることが必要になります。
この場合、引越代金や当面の生活費を受け取っていると特例の適用が認められないようです。

専門家に確認を
要件を満たすことで競売や任意売却で譲渡所得が発生しても譲渡所得税が課税されないことがありますが、その適用要件は厳しく設定されています。
このため適用の可否については任意売却を行っている不動産会社や税理士などに確認をされることをお勧めします。

ピックアップ記事

  1. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  2. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  3. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  4. 不動産の売却に年齢制限はある?
  5. 後妻の子の相続における取り扱い

関連記事

  1. 任意売却

    競売の一括売却とはどういった方法なのか

    競売の「一括売却」とは一括というぐらいですので、もちろんいくつかの物件…

  2. 任意売却

    競売での売れ残りは最後はどうなるのか

    マイホームが競売にかけられたとしても、全ての物件に対して買受希望者が現…

  3. 任意売却

    税金の滞納による差し押さえと任意売却との関係

    税金の滞納を続けていると、やがて自分の財産が国や地方公共団体などに差し…

  4. 任意売却

    競売価格の決め方を確認して個人投資に活用

    競売物件が何故安いのかは色々な理由があるのですが、構造上の問題が必ずあ…

  5. 任意売却

    競売における最低売却価額から売却基準価額への変更

    住宅ローンの返済が出来なくなったマイホームや借金の返済が出来なくなり裁…

  6. 任意売却

    任意売却に合わせて債務整理を検討中の方へ

    収入減や失業など、人によって理由は様々ですが、住宅ローンが支払えなくな…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    競売不動産に捨てられた残置物
  2. 相続

    相続における特別受益の持ち戻しとは何か
  3. 任意売却

    住宅ローンを返済したいが残高不足になった場合
  4. 債務整理

    要注意!?競売でも発生する消費税
  5. 債務整理

    競売物件において固定資産税の支払い義務はどちらが負担?
PAGE TOP