任意売却

住宅ローンの債務不履行で、できるだけ連帯保証人に迷惑をかけないためには

住宅ローンの返済が出来なくなってしまったら、債権者は連帯保証人に債務者に代わって債務の弁済を求めることができます。できることならば連帯保証人に迷惑は掛けないようにしたいところですが、それは可能なのでしょうか。

LP_banner_02

■ 連帯保証人の役割

連帯保証人には、単なる保証人とは異なり「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」が認められません。催告の抗弁権とは、債権者が保証人に対して債務の弁済の請求をしたときに、主たる債務者にまずは請求をするように主張することができる権利です。検索の抗弁権とは、主たる債務者の所有する財産を先に処分するまでは弁済を拒否できる権利です。分別の利益とは保証人が複数いればその人数に応じて平等に分割した金額分のみ責任を負えば良いということです。これらの権利が連帯債務者には認められないため、いきなり債務の弁済を求められても連帯債務者は拒否できないということになります。

■ 非常に重い連帯保証人の責任

連帯保証人の責任は非常に重く、主たる債務者と同等の責任を負っていると言っても過言ではありません。住宅ローンの借入を行う際には、金融機関から連帯保証人を要求されないケースが多いのですが、共有などの物件の特性や融資の審査などで連帯保証人を求められることもあります。いずれにせよ連帯保証人になってくれる人は、重い責任を背負ってくれた方である訳ですから、出来る限り迷惑は掛けたくないと考えるのが通常だと思います。

■ 住宅ローンの返済が困難になってしまったら

住宅ローンの返済が出来なくなってしまったら、連帯保証人に弁済の請求が行くことになってしまいます。これを避ける方法はないのでしょうか。まず、ローンの返済ができないのであれば、返済方法について金融機関と相談をしましょう。条件の変更などで支払いが継続できるかもしれません。それでも返済が困難となれば、いよいよ担保となっている物件を手放すことも考えなければいけません。競売の実行は連帯保証人の承諾が不要なのですが、売却金額が一般の不動産売却市場における相場の6~7割程度と言われています。もし、多くの残債が残るようであれば、連帯保証人にも多大な迷惑を掛けてしまうことになります。

■ 任意売却で出来る限り高額で売却

債権者である金融機関などとの交渉次第であり、実際には厳しい部分もありますが、任意売却の承諾を得て売却した結果、残債が僅かで返済も確実であれば連帯保証人への請求を猶予してくれる可能性も無くはないです。何れにせよ返済不能な状況下においては、任意売却を選択し、なるべく物件を高く売却することで極力残債を少なくすることが取りうる最善の手段と言えます。任意売却の専門家なら交渉の相談にも乗ってくれますので助力を得ながら、債権者、連帯保証人に対して誠意ある対応をしていきましょう。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 督促状の納期限とペナルティについて
  2. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  3. 競売における売却基準価額とは何か
  4. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  5. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!

関連記事

  1. 任意売却

    競売申立の費用はいくらかかる?

    競売申立にはどのくらいの費用が必要なのか、何に費用がかかるか?全部、ま…

  2. 任意売却

    住宅ローンの滞納を続けていると?~任意売却という選択~

    様々な影響を受けて、仕事が減少したり、仕事を無くしたりした人も多いと思…

  3. 任意売却

    任意売却後に残ったローンの対処法が最も重要

    任意売却を考える場合に、高く売れる事に越した事はないのですが、それでも…

  4. 任意売却

    相続した空き家を売却して3000万円控除を受ける条件

    親の遺産を受け継ぐと相続税がかかります。その中に親(被相続人)の住んで…

  5. 任意売却

    どうしよう・・・競売で落札した物件にまだ人が住んでいる

    競売とは商品を購入したい人が買値を提示(入札)し、一番高い値を出した人…

  6. 任意売却

    支払っている家賃を前提に住宅ローンを組むことの危険性とは

    家賃を支払うぐらいなら、その家賃でもって住宅の購入に充てたほうが良いと…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 不動産基礎知識

    競売の通知が届いたら終わり!? 取下げる方法はある?
  2. 不動産基礎知識

    不動産あれこれ~賃貸管理に資格は必要なの?
  3. 不動産基礎知識

    抵当権の謎に迫る、不動産競売のあるある
  4. 債務整理

    住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  5. 債務整理

    なんと競売に、ローン制度がある!!
PAGE TOP