任意売却

競売による落札金額の配当のルール

競売してまで不動産を換価するのは、債権者が債権を回収するためです。競売による売却金額は、複数の債権者がいる場合にはどのように配当されるのか、ルールがあるのかを見ていきましょう。

LP_banner_02

■競売には種類がある
実は競売には担保不動産競売と強制競売という種類があります。同じ競売ではあるのですが、細かな点で異なってきます。
担保不動産競売とは、債権者が住宅ローンの融資に際して予め抵当権を設定している場合に、滞納に基づく債権回収を図るために抵当権を行使して行われる競売のことをいいます。債権者は裁判所に申立を行えば良く、裁判を起こす必要はありません。
強制競売とは、債権者が債務者の財産である住宅を強制競売して債権回収を図るために行われる競売のことをいいます。強制競売は申立の前に裁判で勝訴判決等を得ておく必要があります。

■競売による売却代金の配当ルール
競売による売却代金を債権者に配ることを配当と言いますが、申立を行った者が優先的に配当を受けられる訳ではありません。配当の順位は法律で決められており、高順位の者から優先的に配当が受けられます。配当の優先順位は次のとおりです。

第1順位 競売の執行に要する費用
現況調査報告書や評価書の作成料、書類の郵送料など競売を行うのに必要な経費です。

第2順位 公租公課
固定資産税、都市計画税などの当該不動産にかかるものだけでなく、住民税、自動車税など債務者が滞納している税金は全て対象となります。

第3順位 抵当権などによる担保債権
抵当権など競売の対象となっている不動産を担保としていた債権は他の一般債権に優先して配当を受けることができます。公租公課の法定納期限以前に登記された担保権はその公租公課に優先します。

第4順位 優先権のない一般債権
先取特権などといった一般債権に優先する特殊な権利などもありますが、売却価格の安い競売において、最後の順位にある債権にまで配当が回らないということはよくある話です。

■任意売却が選ばれる理由
競売よりも任意売却が選ばれるのは売却価格が高くなるということもありますが、第1位の順位にある競売の執行に要する費用が結構高額であることも理由のひとつになっているのではないかと思います。不動産売買の仲介手数料とまではいかずとも、それに近い水準になることもあるようです。であるならば、債務者も債権者も競売よりも任意売却を選択することに合理的な意味があります。
もし、ローンの支払いなどでお困りであれば任意売却を行っている業者に相談をしてみてはいかがでしょうか。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 後妻の子の相続における取り扱い
  2. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  3. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  4. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  5. 不動産売却における委任状取り扱い説明書

関連記事

  1. 任意売却

    任意売却によって得た売却代金の配当方法

    任意売却によってマイホームを売却したならば売却代金を債権者に渡さなけれ…

  2. 任意売却

    競売で家から追い出しを受ける事になる前に

    何らかの要因により、家のローンを支払う事が出来なくなった場合、最終的に…

  3. 任意売却

    任意売却で解決する税金滞納と差押え

    任意売却の場合は、多くの方が住宅ローンにおける滞納が原因になっています…

  4. 任意売却

    競売物件で重要な資料となる物件明細書とはどいうもの?

    不動産投資において競売に興味を持つ個人が徐々に増えてきております。安く…

  5. 任意売却

    任意売却に必要な書類とは

    住宅ローンの滞納で自宅を手放さざるを得なくなった時、競売より比較的負担…

  6. 任意売却

    任意売却における決済までの流れとポイント

    住宅ローンの遅延などでお悩みの場合は、任意売却をお勧めしています。まず…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 任意売却

    任意売却を成功させるためには債権者とうまく交渉する不動産会社が必要
  2. 任意売却

    任意売却時に引っ越し費用が不要になることも !
  3. いろいろ

    離婚を円滑に解決してくれる、和解金について知ろう!
  4. 不動産基礎知識

    家の売却の際には、知っておくべき評価額【公示地価と実勢価格】!
  5. 債務整理

    競売の売却決定はいつ?
PAGE TOP