不動産の競売手続きの具体的な内容の中には、競売の売却金額によって、債権者に対する支払いを行う事になります。この手続きを行う為に、裁判所に対して「債権の届出」を提出する事になります。今回は、競売における債権の届出は出すべきなのかを説明していきます。
競売における概要
債務者(お金などを借りた側)は、債権者(お金を回収する側)の権利として債務者が所有する不動産に対して競売にかけて、その売却代金によって債務の回収を行う事になっています。
競売物件が売却された場合には、裁判所から配当金として金額に対しての割合を分配する事になっています。ただし、債権者が「債権の届出」を提出していなければ、「配当金」の割り当てができない場合もあります。法務局での差押登記によって競売の申請が完了すると、裁判所書記官によって、配当要求の終期が定められる事になります。
配当要求の終期の定めによって、債権者は裁判所に対して「債権の届出」をする事になっています。仮に、配当要求の終期から数えて3ヶ月以内に売却許可決定が出なかった場合には、3ヶ月後に自動的に延期される事になります。差押登記前に登記されている抵当権を所有している人達が、債権者の代表となります。
また、複数の債権者がいる場合においては、債権の割合に応じて回収できる優先度合いも異なってきます。競売による多くの事例では、売却金額によって全ての債権者に対して全額返済される事は稀となっています。その為に、「債権の届出」を提出する事が無駄になってしまう事も少なくないのです。
債権の届出は出すべきか
債権の届出を出さない場合でも、配当を受ける権利は残ります。ただし、届出を出さなかった事で生じた損害等は、自己の責任となってしまいます。原則的には、配当金が出る可能性を信じて債権の届出は出すべきだと言う事です。
強制競売の配当における優先順位
1位には、共益費などの申請手続きの費用代金です。
2位には、税金(公租公課)の公的な支払い滞納です。
3位には、抵当権等によって担保される債権です。この場合の税金滞納の法定納期限等以前に登記されたものであれば、税金よりも優先する事になります。
4位には、優先権のない一般の個人的な債権などです。
強制競売申立人による差押登記
仮差押や抵当権等の担保設定登記がない債権者の場合は、配当要求の申し立てを行わないと「配当」を受ける事ができなくなります。この場合、配当要求の終期は競売が売却されるまでは、3ヶ月ごとに更新されるので期間内に「配当要求」を行う事です。
担保不動産競売においての無剰余取り消しについて
複数の抵当権が設定されている場合では、優先順位がついています。その場合の「後順位抵当権者」が競売を申し立てる場合では、あきらかに配当がまわらないと判断されてしまう時に、「無剰余」と判断されます。担保不動産競売においては無剰余となる場合に、裁判所が競売手続きを取り消されるのです。
まとめ
競売における債権の届出は、配当金を得る為の手続きでもあります。配当金が必ずしも全ての債権者に配当されるとは限りませんが、少しでも回収できる可能性として、債権の届出は提出するべきです。
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