住宅ローンの返済ができなくなってしまうと、銀行や保証会社などの債権者は不動産を差押えて裁判所の強制売却手続きを行います。競売での売却は市場相場よりも金額が安く、所有者は金銭的に大きなダメージを受ける事になります。任意売却を利用した場合は、競売より高額に不動産を売却する事ができるので、債務者にとっては大きなメリットになります。今回は、任意売却と住宅ローンについて紹介しましょう。
任意売却について
任意売却は、住宅ローンを滞納して支払いが困難になった場合や支払えなくなったときに、債権者や抵当権者との話し合いによって抵当権を外した上で物件を市場などで売却できる様にする事です。
住宅ローンの抵当権との関係
少ない頭金やギリギリのローンで住宅ローンを設定している方は、オーバーローンになっている場合が多く、ローンの滞納があると、債権者がいつ競売申立てをしてもおかしくない状態にあり所有者は不安になります。
不動産を売却する場合には、抵当権を抹消する必要があり、抵当に入っている物件を買う人はなかなかいません。基本的に抵当権を抹消するためには借金を全額完済する必要があり、任意売却をするには債権者との交渉で物件を売却して返済に充てるため、住宅ローンを完済できなくても抵当権を抹消してもらう事ができます。多額の返済金があっても、一般市場で売る事が可能です。
任意売却にするとできる事
任意売却にすると次の事ができます。
〇市場で売却できる
任意売却は、普通に不動産会社に仲介を依頼し売り出して買い手がついたら内見をさせ、気に入ったら売買代金を決めて売却するという物件を市場で売却する方法です。
〇高く売れる事が多い
競売では入札者は建物の内見ができず、いろいろな制限があり、競落金額は市場価格の7割や8割程度です。任意売却にすると、競売より高額で物件が売れる事が多くなります。
〇プライバシーを守れる
任意売却では、市場で売却する事ができるので、周囲から不審に思われる事がなく、プライバシーを守る事ができます。
任意売却までの流れ
任意売却の流れは次のようになります。
〇金融機関に打診する
任意売却をする事を以下のようなタイミングで判断して、借入先の金融機関に告知します。
・住宅ローンの支払いができなくなりそう
・住宅ローンを滞納していて、督促されている
・住宅ローンの保証会社による代位弁済がされてしまった
・競売を申立てられた
競売を申立てられると、開札期日前までに任意売却の申請をしなければならないので、急ぐ必要があります。
〇査定書を提出して了承を得る
物件の査定書を金融機関に提出してその価格で売却する事を了承してもらう必要があり、物件をその価格で売却する活動を進めていきます。
〇不動産を売り出して売却する
金融機関の了承が得たら、不動産売却を進め、購入希望者が見つかったら価格交渉をして条件が整ったら手付金の支払い(任意売却会社が預かり)と売買契約を締結します。
※任意売却では、手付金は、債務者に渡さない場合がある。
〇抵当権を抹消して不動産を引き渡す
決済期日が来たら残代金を支払い、金融機関に抵当権を抹消してもらい、不動産を引き渡して買い主は所有権移転登記を行います。
〇残債を支払う、または債務整理する
任意売却をしても残債を完済できない場合でも残った債務を支払っていく必要があります。任意売却会社と債権の保有者(債権回収会社など)との交渉では、分割払いなどで無理のない返済を行います。
まとめ
任意売却は、住宅ローンを支払えない、既に滞納している、競売が始まってしまったとしても過度に不安になる必要はありません。借金解決を一人で悩まずに、お早めに任意売却を検討して相談すれば競売よりもメリットが大きい解決方法が見つかります。
任意売却に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。