様々な事情により住宅ローンの返済が苦しくなってくると、今後のやりくりについて悩んだり、将来に不安を感じたりすることと思います。債権者である金融機関などに相談をして借り換えや条件変更などで返済を続けることができるようになれば良いですが、それでも返済の継続が難しいようであれば任意売却を検討してみては如何でしょうか。
■ 任意売却とはどのようなものか
任意売却とは、住宅ローンの返済ができない場合に債権者の承諾を得て住宅ローンの担保となっている自宅を一般の不動産市場で売却することです。売却代金は住宅ローンの返済に充てることとなりますが、残債が発生するため抵当権の抹消について債権者の承諾が不可欠です。 なお、住宅ローンの滞納を続けていると最終的には競売によって自宅が売却されることとなりますが、任意売却は競売と比べると多くのメリットがあります。
■ 競売と比較した任意売却のメリット
任意売却のメリットは数多くありますが、代表的なものを挙げていきます。
・ 競売よりも高い金額での売却が可能のため残債を少なくすることができる
・ 残債の返済方法について債権者と交渉できる
・ 交渉次第では引越費用を売買代金から捻出してもらえる
・ 近所に売却理由が知られない
などが挙げられます。 競売による売却価格は、市場価格の6~7割程度と言われていますので、相当な金額分の残債を減らすことができることとなります。これは自宅売却後の残債の返済計画に大きな影響を与えます。また、競売手続きが開始されると情報が公開されるために競売の事実を近所に知られることとなります。特に小さなお子様がいらっしゃる場合には精神的な苦痛も大きなことでしょう。任意売却であれば通常の売却と変わらないので、その点の悩みも解決となります。 任意売却のデメリットとしては、手間が掛かり、専門的な知識も必要なことです。担保物件を売却しようとする訳ですから、債権者との交渉が重要ですし、報告も随時行う必要があります。また、競売と異なり内見の対応なども必要です。
■ 任意売却をスムーズに進めるために
任意売却は手間が掛かりますが、それ以上のメリットが債務者にあります。高額で売却できることは債権者にとってもメリットですから、基本的には前向きに交渉に臨んでくれます。しかし、任意売却をスムーズに進めるためには、高度な専門知識が要求される場面もあります。個人では限界がありますが、任意売却の専門家をパートナーとすることでこれらの悩みも解決していきます。任意売却を検討するのであれば、専門家に相談されることをお勧めします。