2017年度の婚姻件数は、約60万組みとなりますがその中の再婚率は約4分の1となっています。このことから考えた場合に「連れ子」に対する相続も、当然ながら浮かび上がってきます。今回は、連れ子に対する相続問題を紹介しましょう。
■相続は血縁関係が重要視
法定相続人についておさらいしてみましょう。相続の優先順位は配偶者が2分の1以上を相続するのが基本となっています。それ以外の優先順位では、1番目が子供や孫で、2番目が親や祖父母となり3番目に被相続人の兄弟姉妹(又は甥や姪)が法定相続人となるはんいであり、基本的には被相続人から見て血縁関係を重視しています。
配偶者だけは例外として、生涯の苦楽を共にした分の残された人生に対して相続分の優遇を取り計らったものなのです。
■配偶者に連れ子がいた場合の相続は
家族として生活していても現実的に親子として認めていたにしても、相続上では、「連れ子」に対する権利は認められてはいません。しかし、「連れ子」でも相続する権利を得る方法があります。
被相続人と「連れ子」が養子縁組を行うことによって相続上の権利を有することが可能になります。法律上での親子関係が成立した場合に事実上の親子として認められることになるのです。
これによって血縁のある子供と養子縁組の子供は同等の立場となり法定相続人の1人となるのです。
◎遺言状による連れ子の相続
万が一、養子縁組がなされなかった場合の相続の方法としては「遺言書」による遺産相続があります。
「遺言書」による遺産相続には、血縁関係のない「連れ子」に対して相続させることができますが、この場合を「遺贈」と言って相続上の計算方法に違いでてきます。
◎非嫡出子の改正による取り分
連れ子とは違い被相続人の認知されていない「非嫡出子」については2013年の改正によって認知されている子供と同等の権利を有することになりました。
■遺贈の計算法
①法定相続人の計算では総額を出します。
②各相続人の計算と「遺贈」を受けた者の計算をします。
③相続税の2割加算の必要な人の計算をします。
基礎控除額の計算式は、3,000万円+600万円×(法定相続人の数)
法定相続人がいない場合は、3,000万円+(600万円×0人)となり、3,000万円となります。
尚、遺贈の場合は法定相続人に含まれない為。むやみに養子縁組を組むことのないように相続税の計算上で含められる養子の数が決められています。実子がいる場合は1人までとして、実子がいない場合は2人までです。
◎2割加算の必要な人とは
法定相続人の一等親以外の親族や第三者(他人)となります。被相続人の兄弟や姉妹に姪や甥、代襲相続人になっていない孫「その孫の親(=被相続人の子供)が存命している場合)」およびその他の遺言による第三者が対象となる場合です。
◎遺贈の種類
被相続人の財産のうち割合によって財産を渡す「包括遺贈」と、特定の指定による土地や権利や金銭などの遺贈を「特定遺贈」があります。
「連れ子」に対する相続問題を回避するには養子縁組と遺言による遺贈がありますが、「連れ子」に対する親子の心情があるのであれば、その後のトラブルに巻き込まれない為にも養子縁組で事実上の親子として親戚に紹介しておくことも必要でしょう
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