競売における基準価額と基準価格は違うのでしょうか。一般的に基準価格とは何を指しているのか、また基準価額とは何か、決まり方についてはどのように決まっていくのか、を考えてみましょう。
■競売の基準価額と基本価格は同じ
競売においては、その物件の事を指して使うなら基本価格とはいいません。専門用語になりますが、正式には基準価額が正確な言い方でありますが、どちらも指しているのはその競売物件の基本的な査定価格で同じだという事です。
■競売の基準価額の決まり方
裁判所は競売の申し立てを債権者から受けて、民事執行手続きに入るか検討に入ります。
民事執行手続きに入った物件は強制執行になり、競売にかけられる事になるのです。その場合、その物件をいくらで競売にかけるかは、裁判所が不動産鑑定士に依頼して査定額を算出します。
その際、裁判所独自にもいろいろと考慮・調査され、金額を決める事は勿論ですが、裁判所またはその案件により、その金額は一定ではない事は充分あり得る事です。
しかしながら、不動産の一般売買における金額を大きく下回ることは、確実といってもよいと思います。理由として、競売という特殊性から発生する諸問題が、価額決定にも大きく反映される事があるからです。
そういった事全てを考慮されて、算出された金額が競売におけるその物件の基準価額(一般的ないい方ですと価格)となります。
これを元に、競売での入札参考価格にあたる最低売却価額が裁判所によって決定され、競売の入札・落札という流れになっていきます。
■なぜ競売物件の基準価額が一般売買の不動産価格より大幅に引き下がるのか
それにはやはり競売という特殊性が、大きく影響してくる事は間違いありません。競売物件には、いろいろと問題を抱えるケースが多く要因としてありますが、その諸問題の解決にはほとんどの場合、裁判所は介入しません。
少し大げさにいうなら、全ての問題は落札者(購入者)自身が、ご自分で対処していかなくてはならないのです。少し例えるだけでも、占有権の問題・賃貸に関する問題・家財道具など、個人資産の所有権に関する問題など枚挙にいとまがありません。
■まとめ
こういった流れで、競売の基準価額(基準価格)は決まっていくのですが、その金額が購入金額でないのです。そこから、買受可能価額というものが設定され、入札が始まるのですが、入札にもある程度の知識と、少しまとまった金額も必要になってきます。
このように競売は、勿論市場価格よりも安い金額で物件を入手する方法としては有効ですが、そのためにはクリアにしておかなければならない問題や、法的な知識、それと場合によっては、巧みな交渉術も必要になってくるかも知れません。
以上のようなことを考えますと、むやみに個人が手を出すことは非常に大きなリスクを背負う可能性も高いという事です。
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