住宅ローンを返済できなくなると、金融機関は対策として、一括返済を迫ります。当然ながら返済できない様々な理由から、競売を進める運びとなるわけです。競売で売却するよりも任意売却の方が、メリットがあります。任意売却は、通常の不動産価格で売却できる可能性について紹介しましょう。
任意売却と競売の扱い
競売の場合は、債権者によって最終的なお金の回収方法として実行される方法です。持ち主である所有者の意見は通らない為に、強制的に差し押さえや売却が行われます。競売での取引価格は、市場価格のおよそ70%での価格で入札にかけられます。
入札によって買受人が決定すると裁判所に代金を支払う事で、所有権が移転します。元の所有者は、立ち退きをしなければならず、立ち退き費用は自分で工面しなければなりません。それでも居残る場合には、強制執行の勧告から役1か月後に、強制的に立ち退きを実行されます。
任意売却の場合は、競売にかけられる前に、仲介してくれる任意売却を専門とする不動産業者に依頼して債権者の承諾を得てから、買主を紹介してもらい契約によるサポートや売却後の引っ越し費用の確保、残った債務の支払いについても分割返済などで無理のない支払いの交渉まで行います。
任意売却のメリット
所有者の意見が反映される事で、競売に比べると大きなメリットがあります。
1.通常の不動産価格で売却も可能
競売の場合は、市場価格よりも、およそ70%での価格で取引されますので、残った債務の割合が多く残る事になりますが任意売却の場合は、市場価格が反映されるのでできる限り高い金額で取引できる可能性があります。
勿論、任意売却の性質を考えると市場価格のまま売却は難しいかもしれませんが、競売価格と市場価格の間で取引される事になっています。できる限り高い金額で売る事で、ローンの残りの支払いも減らす事につながり、今後の生活もいくらか楽になるのです。
2.契約のサポート
任意売却では、契約の前に、債権者からの承諾を得て「抵当権の抹消」が必要になります。万一、許可がもらえずに抵当権を抹消できない場合、無条件での契約解除などの特約を盛り込む事で、違約金の支払いをしなくてすみます。専門の任意売却を行う業者は、そうならないように債権者の利益を強調して交渉に臨むので、間違いは少ないはずです。
3.売却後の引っ越し費用
明け渡しによる引っ越しの費用も確保してもらい、その後の生活の安定を確保します。競売では、強制的に立ち退きを迫られますが、任意売却では、費用を確保し自力で立ち退く事ができます。
4.残った債務の支払い交渉
債権者は、売却後もローンの支払いが完済できない場合には、できるだけ回収できる方法を選ぶ為、仲介者の交渉に応じてもらい無理のない返済方法を行えます。競売では、破産宣告を選ぶしかない場合もありますが、任意売却では破産宣告で社会的なダメージを受けるよりも自力で再生できる方法を選ぶ事ができて、今後の見通しが明るくなります。
まとめ
任意売却は、通常の不動産価格で売却できる可能性について紹介しましたが、実際の取引価格は、仲介人と相談しながら交渉に臨みます。欲を出して高い値段を設定しては売れ残る事になり、競売を選ぶ事になりかねません。市場価格と競売以上の価格の間で取引する事が重要なポイントなのです。
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