不動産基礎知識

競売で購入した住宅に占有者がいた場合の対処

通常の不動産売買に比べてリーズナブルな傾向にある不動産競売。しかし安さの反面、購入後に様々なリスクが生じる事態が想定されます。そのうちの1つに挙げられるのが、占有者の問題です。どのような問題であり、どのような対処法があるのか、見ていきたいと思います。

占有者とは

競売落札後、新たな物件所有者が現れたにも関わらず、立ち退かず物件に居座り続ける方々。それが占有者です。差し押さえ及び競売手続きを通して物件への居住権を既に失っているため、占有者の行為は違法と言わざるを得ません。

しかし、だからと言って占有者に対し強硬姿勢一辺倒で臨むのも得策ではないでしょう。後々まで禍根を残すおそれがあります。円満な解決を目指すにはまず、どのような流れで占有者という立場になってしまったのか、背景を把握しておくことが重要です。

そもそも不動産競売物件は、元の所有者すなわち債務者が借金のカタとして取り上げられたものに相当します。主な借金のタイプとしては住宅ローンが該当するでしょう。住宅ローンとは、金融機関と融資契約を結んで資金を借り受け、それを住宅購入に使い、契約で定められた額を月々金融機関に返済していくというタイプの借金を意味します。

返済期間は長期に及ぶため、時には事情により支払いが滞ってしまうこともあるでしょう。しかし、その滞納期間には限度があり、概ね6カ月となるその期間を過ぎてしまうと、ローン残額を一括で返済しなければならなくなってしまいます。

それに応じられなければ、債権者すなわち返済を受ける権利を持っている側は裁判所に申し入れることになります。申し出を受けた裁判所は、住宅を差し押さえて競売に掛け、そこから得られた売却金を強制的にローン返済に充てるという処置を行います。

競売に掛けられている不動産は、このような経緯で売りに出されているわけです。

競売に至るまでの流れでは、元の所有者である債務者の意向が全く反映されません。債務者側の視点では、自分が介在しないまま状況が進行し、住宅ローン滞納から1年強、ローンの一括返済請求から7~10カ月で自宅が競売落札され立ち退きを迫られるという事態になるわけです。

また、占有者の中には、元所有者との賃貸借契約に基づいて居住していた借主というケースもあります。そういう方にしてみれば、自分の与り知らないところで突然短期間での自宅からの立ち退きを迫られるという状況にもなりかねません。

そういった背景から、直ちに転居することが困難であり、結果として占有者に位置付けられてしまうとも言えるわけです。

占有者を立ち退かせる手段

居座り続ける占有者に対して、競売落札者すなわち買受人は、強制執行という手段を取ることが可能です。これは、裁判所に申し出て落札住宅から占有者を強制的に立ち退かせるという方法です。しかし、それに要する費用は実質的に買受人の負担となります。また状況によっては人道上良心の呵責を感じ精神的負担ともなるでしょう。

そういったことから、強制執行に踏み切る前にまず、占有者との交渉によって退去させるという方法を試みるのが常となります。しかし、買受人自身が占有者とコンタクトを取ること自体、ハードルが高く実行するには困難な事柄と言えるでしょう。

そのような状況に備える上でも、競売に慣れていない方が入札を検討される際には、競売に精通した不動産会社などのサポート体勢を事前に築いておくことが有効と言えます。それによって、競売に関わるリスクや負担について適切に対応することが可能となるでしょう。

まとめ

以上のように、競売落札後の物件から立ち退かない占有者について、その背景を踏まえながら見てまいりました。占有者への対応策としては、最終的には強制執行という手段が挙げられます。それを用いず交渉によって負担の少ない形で解決するには、まず占有者の置かれている立場や背景を理解することが第1歩と言えるでしょう。

競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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