任意売却

債権者の同意が無ければ任意売却は出来ない?

住宅ローンの返済の滞納を続けていると金融機関など債権者は、抵当権を実行してマイホームを競売に掛け少しでも融資金の回収を行おうとします。競売は、強制的に家を売却されるだけでなく、売却代金の水準や立ち退きの問題など債務者にとってデメリットが多くあります。
マイホームを手放すのは仕方ないとして、競売は回避したいという債務者には、任意売却という方法があります。この任意売却を行うには債権者の同意が必要となりますが、何故マイホームを自分の意思で売却するのに同意が必要なのでしょうか。

LP_banner_02

売却自体は可能
マイホームの所有権は債務者が持っていますから、本来、債務者が売却したいと思えば自由に売却出来るはずです。しかし、任意売却には債権者の承諾が必要だというのはどうしてなのでしょうか。
実は住宅ローンを滞納しているマイホームの売却自体は、ローン契約の特約などはさておき、法律的には問題無くできます。抵当権が設定されていても、抵当権自体には売買を無効にする効果は何ら備わっていません。しかし、実際問題となると抵当権が設定されているマイホームには買手が付きません。
もし、買手が現れたとしても競売による売却よりも遥かに低い金額でなければ購入しないと言われることでしょう。
これは抵当権の付着している不動産は、例え所有者が変わっても抵当権の効果は消滅しないからです。
いつ競売になるか分からない不動産を購入しようとする人はいないということです。

任意売却だと何故売れるのか?
では、債権者の同意を得て行われる任意売却であれば競売よりも高い金額で売却できると言われるのは何故なのでしょうか。
それは、この債権者の同意というのが、抵当権の抹消に同意をしているからなのです。任意売却の成立によって買主に所有権が移転する際に、債権者は抵当権を抹消することについて同意をしているため、買主は安心して不動産を購入することができるのです。これにより通常の売買と同じ市場で買主を探すことができます。

任意売却のために超えるハードル
債権者の同意が得られれば競売よりも有利な任意売却が可能となりますが、実はここに至るまでには色々な交渉や整理すべき事項があります。ローンを滞納してしまった債務者が何の準備も無く、任意売却に同意してくださいとお願いしにいっても、債権者もそれだけで同意するものではありません。複数の抵当権者がいれば全ての債権者の同意も必要ですし、税金の滞納による差し押さえがあれば差し押さえの解除も必要になります。高度な交渉能力が求められることもあります。
もし、競売ではなく任意売却を選択することをお考えでしたら、債権者との交渉や難解な手続きも行ってくれる頼もしいパートナーとなりますので、できるだけ早い段階で任意売却を専門に取り扱う不動産会社などに相談をされることをお勧めします。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  2. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  3. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  4. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  5. 不動産売却における委任状取り扱い説明書

関連記事

  1. 任意売却

    【不動産】の売却の手続きに必要な書類

    【不動産】の売却の流れは、何度か紹介しておりますので、不動産を売る為の…

  2. 任意売却

    任意売却の際に必要な特約条項~同意書~

    様々な理由で、持ち家を売却しなければならないという状況に陥ることがあり…

  3. 任意売却

    不動産売却時の税金と取得費の関係

    不動産を売却すると税金が発生しますが、売却した全ての人に税金の課税が行…

  4. 任意売却

    任意売却は個人の信用情報に影響を与えるのか

    個人の信用情報に傷が付くと思って任意売却をためらっている方がいらっしゃ…

  5. 任意売却

    任意売却したい!その方法とは?

    任意売却したいと思うときは、どの様な状況でしょう。それは月々の住宅のロ…

  6. 任意売却

    競売の評価における減価とは何か

    競売による落札価格は、通常の市場価格よりも相当に安い価格となると…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    競売物件明け渡しにおける「猶予制度」
  2. いろいろ

    賃貸管理における清掃ポイント
  3. 相続

    相続放棄による所有者が存在しない物件の競売
  4. 債務整理

    督促状がきた時に支払できない場合にはどうなるの?
  5. 不動産基礎知識

    競売における交付要求とは何か
PAGE TOP