住宅ローンの支払いを滞納していると、借入先の金融機関から催促の電話がきますが、それを無視していると、督促の通知がきます。そこで、支払いができればいいのですが、それも無視していると、取り返しのつかないことになります。今回は、競売手続きで住宅が差し押さえられる件についてみていきましょう。
■住宅が差し押さえられるまでの期間
滞納1ヶ月未満であれば、催促の連絡ぐらいで、取り立てもそれほど厳しくはありません。しかし、2ヶ月、3ヶ月と滞納していくと、住宅ローンの元金と併せて遅延損害金を一括返済するような文言の入った「督促状」が届くようになります。
3ヶ月を経過しても、支払いができないといった状況になると、今度は「催告書」が届きます。催告書は住宅ローンを組む時に、銀行と取り交わす「毎月分割」の約束事ができなかった人に対して、分割して支払う権利を無効にするといった内容の「期限の利益の喪失」を言い渡すことになるのです。そのようなことから、この書類が届いた時点で、住宅ローンを一括で支払いしなければならなくなります。
期日までに支払いができなかった場合は、保証会社がローンの全額を銀行に支払い、金融機関に変わり、保証会社から請求が届くことになるのですが、その内容は、住宅ローンの残額及び遅延損害金の一括返済です。その期間は、およそ3ヶ月から6ヶ月となります。
そのまま放置しておくと「競売開始決定通知書」が届き、住宅が差し押さえられることになります。そこからは、競売の申立てが行われ、遅くても1年もたたないうちに競売になってしまいます。
■住宅が差し押さえられるとどうなるか
住宅が差し押さえられると、登記事項証明書(登記簿謄本)に、差し押さえと表記されます。それでも、その自宅には住めなくなるわけではありません。また、差し押さえられた住宅を売買できなくなるわけでもなく、貼り紙をされることもありません。
登記事項証明書を見なければ、住宅が差し押さえられたことは確認できないので、近所に知れ渡ることはありませんが、住宅ローンの借り換えをするには、過去の未納があることを烙印が押された形になります。
■差し押さえの期間
住宅ローンが払えなくなって、返済の滞納が続いてしまうと、通常は6ヶ月で差し押さえになるといわれています。例えば、住宅金融支援機構は滞納から6ヶ月で期限の利益が喪失し、残債務の一部返済の請求とともに競売の手続きが進められます。
ただし、各銀行によっては、3ヶ月の場合もあるようですので、その期間は一概にはいえません。
先述したように、いきなり「競売開始決定通知書」が送られてきて、住宅が差し押さえられることはなく、事前に、督促状や催告書、期限の利益喪失通知が届くはずですので、ご自身がどの段階にいるのかを認識しながら、必要な手続きを踏むことが重要です。
■まとめ
住宅ローンを滞納した際に届く通知書の意味がわからず、そのまま放置し対応が遅れてしまうと、どんどんリスクは高くなっていきます。そうなると、交渉のタイミングも逃してしまうこともあるので、早い段階で専門家にそうだんすることがお勧めです。
不動産のことに関して何か困りごとや疑問がありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。