競売物件の入札に参加をして無事に所有権を取得できました。ですが、以前の所有権者が落札した物件に住まわれていた場合、どうすればよいのでしょうか? すぐには、以前の所有者に対して退去を命じることは難しいです。相手に退去を命じるときはいくつかのステップを踏む必要があります。その流れを追っていきましょう。
競売とは?
競売とは、借金の返済が滞った人に対して、裁判所を通して財産(不動産)を処理し不動産を売却した額から残った債権の返済に充てられる手続きです。借金をしていた人は、自宅の所有権を失います。
現況調査の後に、入札が行われる
裁判所側が、売却したい基準価格を定めたらその物件を買いたいと思う人は、期間内に入札をする必要があります。
そこで、一番高い額を指定した人が、買い受けることができる権利を有します。物件を買うことができる権利を有した人は、定められた日までに代金の納付を行わなければなりません。そうして初めて、競売物件の所有権を取得できます。
以前の所有者が住んでいた場合はどうなるのか?
以前、所有権を有していた人が住んでいた場合はどうなるのでしょうか?その時は、新たに所有権利を有している人が、法的な手続きをとることで、強制的に以前の所有者(占有者)を立ち退かせることができます。
法的手続きを実行に移す場合は、まず裁判所に引渡し命令の手続きを行う必要があります。この命令は、以前の所有者に対して、裁判所が新たな所有権者に競売物件の引渡しを指示するものです。
強制執行までの流れとは?
裁判所が引渡し命令を占有者に行います。そうすると新たな所有権者は、これで、強制執行の手続きが可能となります。
強制執行の準備である明け渡しの催告をします。この準備は、裁判所の執行官が、搬送業者と一緒に競売物件がある現場までいきます。占有者に対して、決められた期日までに強制執行することを告げます。
執行時には建物内の荷物を運ばなければなりません。そのためには、搬送業者に対して、必要な人数や見積もりをします。
明け渡し催告後も競売物件が渡らなければ、そこで強制執行がおこなわれます。実際に強制執行が行われることを明渡の断行といいます。
明け渡しの断行の期間
明け渡しの断行が行われるまで1カ月~2カ月半程度かかります。占有者は、長くても2カ月以内に立ち退かなけれなりません。
まとめ
競売落札後、所有権が移っていても占有者を無理やり追い出すことはできません。しかし、きちんと手続きを踏み占有者に明け渡しを求めることはできます。時間はかかりますが、これも競売の特性として受け入れ競売に参加する必要があるでしょう。
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