債務整理

競売における予納金の持つ役割とは

競売とは住宅ローンの支払いが滞る事によって、持ち主である債務者の権利を失う事で、その債権の回収する手段として入札形式による買受が実行されます。競売を実行するには、申請と「予納金」が必要となります。その「予納金」が持つ役割について紹介しましょう。

競売における予納金

同じような言葉として、「予納金」以外に「預託金」と「保証金」などが扱われる場合があるので、その違いについても紹介しましょう。

【1.予納金の役割は預託金とは異なる】
「保証金」を意味する一部として「預託金」がありますが、場合によってその金額が戻る場合が「保証金」となっており、預託金もそれに準じる場合があります。

一方で「予納金」の場合は、手数料のような役割を持っているので、競売の有無には関係なく、その過程における関係者の働きに対して支払われる場合の費用になります。調査費用や評価書の作成の手数料として考えるべき費用なので、返還されることはないのです。

【2.手続費用償還の限界がある点】
競売の売買価格によって、配当における債権者の分配が行われますが、手続費用としての予納金が売却代金を上回る事はありません。

【3.無剰余取消制度で申請の無効】
裁判所が定めた買受可能価額が、全ての費用を含めて申請者などに対して配当金が回らない場合には、裁判の実効性を果たす事が無意味であると判断された場合に、申請の無効を言い渡されます。つまり競売を申請する事が無意味となります。

【4.入札保証金】
競売に参加する為に参加者が支払う費用となります。選ばれなかった場合には、払い戻しがあります。

【5.落札金】
買受人に選ばれた場合には、「入札保証金」を差し引いた金額を「落札金」として支払う事で、不動産を買う権利を獲得します。

予納金の使い道

最初に納めた予納金は、競売を開催する為の申請の申込金として支払われる事になります。裁判官は競売の開催に向けて、書記官や同行する土地の評価人に対して準備を命じます。

予納金の使い道は以下の事柄に使用する目的に「裁判所保管金」として処理しますが、足りない場合の追加料金が請求される事があります。

1- 裁判所書記官は差押えの登記に費用が必要となります。
2- 競売開始決定による送達費用です。
3- 債権届出の催告書の送付費用です。
4- 現況調査にかかる費用です。
5- 評価人に対する評価料です。
6- 売却実施処分に対する通知費用です。
7- 開札期日における準備の手数料です。
8- 買受人が決定して、代金納付期限を通知する費用です。
9- 債務者を呼び出す為の通知費用です。

まとめ

予納金とは債権者が競売を開催する為に必要となる申請金でもあり、競売に向けた手続に関して必要となる全ての経費を、予納金によって支払われる事になるので、競売が開催されない場合であっても、その返還は期待されるものではありません。

競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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