住宅ローンの返済は一般的に長期に渡ります。人にも依りますが30年を超えるケースもあります。これだけの長い期間には色々なことが起こるものですが、ローンの返済に影響を与えてしまうような病気に罹ることもあるかもしれません。
このようなリスクに対してどのような対策があるのでしょうか。
備えが必要
住宅ローンの申込時には団体信用生命保険(団信)に加入するのが一般的です。この団信に加入することで、ローンの申込人が死亡してしまったり高度障害状態になってしまったりした場合には、保険会社がローンの残債を保険料として金融機関に支払いますので以降の返済は不要となります。しかし、一般的な団信では病気になった場合は保険の対象となりません。
病気にも色々ありますが、働くことができない状態になってしまう病気に罹ってしまうとローンの返済が続けられなくなってしまいます。このような状態に備えるには保険を活用するのが一般的です。
広がる保険の種類
ローンの返済中に返済に影響が出るような病気になってしまった場合、貯金などに余裕があれば乗り切ることもできるかもしれませんが、蓄えや備えが無い場合には返済が出来なくなり、マイホームを手放さざるを得ない状況になりかねません。このような病気に罹ってしまうリスクに備えて一般的な団信に特約を付け加えて、「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」などの罹患に備えた保険に加入することができます。
また、団信以外にも「住宅ローン返済支援保険」というものがあります。これは病気を含め一定日数働くことができない状態になってしまったときに支払われる保険で、住宅ローン利用の際に銀行を通じて損害保険会社に申込を行います。
この保険は残債が保険料という訳ではありませんので、加入の際にどれだけの保険金額になるのかを確認しておくようにしましょう。
また、病気の場合には、その病状の程度によって保険の対象とならないこともありますので、加入前に条件をしっかり確認する必要があります。
保険に加入していなかったら
病気に対する保険を利用する場合には当然保険料が上積みとなりますので、リスクとリターンについて十分検討してから加入することが大切です。もし、ローン申し込み前に加入している保険で対応が可能であれば、新たに申込をする必要は無いということもあります。
また、病気に備えた保険に申込をしていなかった場合で病気になってしまったら、傷病手当金、労災保険など何が支給の対象となるのかを確認した上で、金融機関にローンのリスケの相談を行うなどしましょう。
返済が難しいということになったら、できる限り有利な条件でマイホームを手放すということも検討に含めることになりますが、まずは色々と乗り越える手立てを検討してみることが大切です。