不動産基礎知識

今後の住宅ローンの見通しについて

2016年1月に導入が決定されたマイナス金利ですが、これにより住宅ローンのフラット35の金利が1月頃まで1.5%前後で推移していたところ徐々に下がり始め、5月頃からは1%前後の水準で推移するようになっています。低金利が続いていますが、今後はどのような推移となるでしょうか。

■マイナス金利の影響
日本銀行がマイナス金利の導入を決定して、住宅ローンを始め様々なローンの金利が軒並み下がりました。そもそもマイナス金利とは、どのような仕組みなのでしょうか。
通常、お金を銀行に預けると預けた金額に応じて利息が支払われます。これがマイナス金利となると、預けた金額に応じて利息を銀行に支払うこととなります。マイナス金利は、日本銀行と金融機関との間に適用されるものであり、個人と金融機関との間の金利が即座にマイナス金利になる訳ではありません。
このマイナス金利が適用されると、金融機関は日銀に預金をしていても利息を払わなければなくなります。日銀は、金融機関が企業や個人に貸出をしたり、他の投資に資金を回したりするようになることを期待しているのです。

■マイナス金利によって景気は良くなったか
マイナス金利の実施の目的は、市中のお金の流通量を増加させて、デフレからの脱却することです。これまでゼロ金利政策、量的緩和、質的緩和を行ってきましたが、思うように進まないデフレ脱却にもう一つ手を打ってきたというところです。しかし、現時点において依然景気の先行きは不透明であり、金利を上昇させるというところまでには至ってはいません。

■今後の動向
マイナス金利は本来望ましいものではなく、できることならば上昇させたいというのが本当のところですが、現在金利を上げてしまうと、一気にデフレの状態に戻る可能性があります。金利を上昇させても大丈夫だという時期には未だ至っていないということです。このことから今後もしばらくの間は低金利が続くと予測されます。
しかし、景気の動向はサイクルです。下がり切ったものはいずれ上がるものだという金融の見方もあります。今、すぐという訳ではありませんが、2~3年後には上昇傾向になっていることも十分に考えられます。

■金利上昇による住宅ローン返済への影響
住宅ローンなどで、変動金利型の低金利時に月々の返済額を支払い能力の上限で借りてしまうと、金利が上昇した時に返済が困難になることがあります。余裕を持った返済計画を立てて融資を受けることが大事です。そして既に借入れを行っている方は、金利が上昇した際の対応を今から検討しておくことが肝要です。返済が困難になったときの対応についても検討をしておくことが望ましいです。

ピックアップ記事

  1. 競売における売却基準価額とは何か
  2. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  3. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  4. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    抵当権付きの物件を競売で購入するときの注意点

    競売で物件を購入するとき、その不動産に抵当権が付与されているかどうかは…

  2. 不動産基礎知識

    住宅ローンによる借入に勤続年数はどれだけ影響するか?

    住宅ローンによる融資の審査項目に勤続年数があるという事ですが、この勤続…

  3. 不動産基礎知識

    競売における続行決定申請とは何か

    競売の申立てが行われた後に競売続行決定という通知が出されることがありま…

  4. 不動産基礎知識

    不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク

    不動産投資によって得られる所得は不労所得だといわれ、老後の生活に備える…

  5. 不動産基礎知識

    裁判所における不動産競売の仕組み

    そもそも競売とは何のことなのでしょうか。なかなか聞きなれない言葉ではあ…

  6. 不動産基礎知識

    DIYでマイホーム建築やリフォームを行う際、住宅ローンは使えるのか?

    自宅を購入する際、多くの方々に利用されている住宅ローン。これを利用する…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 相続

    相続における遺産分割のやり直しに時効はあるのか
  2. 債務整理

    競売の落札後の占有者に対する引き渡し命令について
  3. 不動産基礎知識

    家の売却の際には、知っておくべき評価額【公示地価と実勢価格】!
  4. 任意売却

    マンションの任意売却による注意点、管理費や修繕費の滞納
  5. 任意売却

    競売のタイムスケジュール
PAGE TOP